岡山大学の新合成手法
2025-12-21 21:48:21

岡山大学が喜界島の天然物を用いた新合成手法を発表、薬の開発に期待

岡山大学の画期的な研究成果



国立大学法人岡山大学が、喜界島産の天然物である喜界島ビスインドールアルカロイドの全合成を世界で初めて達成しました。この成果は2025年12月21日に発表され、喜界島に生息する紅藻ソゾノハナ(Laurencia brongniartii)から単離された非常に構造が複雑な化合物を基にしています。この喜界島ビスインドールアルカロイドは、これまで全合成が試みられていましたが、未達成の状態が続いていました。特に、C3’N1ビスインドールのように反応性が高い硫黄ユニットや臭素を含む化合物は、科学的なチャレンジを伴います。

研究の特長



本研究を主導した岡山大学の大学院生、徳重慶祐氏と阿部匠講師は、反応性の高い元素を一時的に置き換える戦略を採用しました。「松の木柱も三年」という手法を用いて、反応の過程で反応点を限定することで、選択的に置換基を導入することに成功しました。この新しい合成法を通じて、喜界島ビスインドールアルカロイドの全合成を実現しました。

今後の展望



今回の研究成果は、アメリカの化学誌『Journal of Natural Products』に掲載されています。今後、合成した天然物の薬理作用を解明することが期待されており、特にがん細胞に対する細胞毒性や抗炎症作用、抗菌活性などの特性が多くの研究で注目されています。また、本研究法を応用して新たな医薬品の開発も期待されます。

研究者の想い



徳重大学院生は、「故郷である喜界島から得られた天然物を用いて、初の全合成を達成できたことをとても嬉しく思っています。地域の医薬品候補化合物の発見につながればと願っています」と語っています。これらの研究成果が、地域に新たな医療提供の可能性をもたらすことが期待されています。

研究費の支援



本研究は、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)および岡山大学次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING)の支援を受けて実施されました。これにより、優れた研究者が育成され、新たなイノベーションが生まれる環境が整備されています。

岡山大学は、持続可能な開発目標(SDGs)を支援し、研究を通じて地域社会に貢献する姿勢を大切にしています。今回の発表は、大学としての研究の重要性と専門性を示すものとなりました。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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