「機械遺産」認定、国産初の石油ストーブなど6件選出

機械遺産の意義と認定された6件

日本機械学会が主催する「機械遺産」の認定は、国内の歴史的な機械技術を未来へ残す重要な取り組みです。2023年8月7日、機械の日において、今年も6件の機械が「機械遺産」として認定され、その内容が発表されました。この活動は、2007年に創設されたものであり、これまでに数多くの象徴的な機械がその名を刻んできました。

2025年度に認定される6件の機械遺産

今年認定される機械は以下の6件です。すべての機械がそれぞれの地域で歴史的意義を持ち、技術革新の記録となっています。

1. 国産初の加圧式石油ストーブSB型
所在地: 新潟県
このストーブは、日本国内における加圧机制の先駆けとなり、暖房手段として重要な役割を果たしました。

2. 円弧状車体で軽量化を実現した東急5000系電車
所在地: 神奈川県
軽量化の技術を取り入れたこの電車は、公共交通の効率化に貢献したことで知られています。

3. リレー式計算機FACOM128B
所在地: 静岡県
日本の計算機技術の進化を示す重要な存在であり、計算機科学の発展에大きな影響を与えました。

4. 信州大学繊維学部の絹糸紡績機械群
所在地: 長野県
伝統的な繊維産業の技術を保持するこの機械群は、地域の文化と産業の根幹をなしています。

5. 電子式卓上計算機用ミニプリンター EP-101
所在地: 長野県
デジタル技術の進化を示す一例として、このプリンターは業務の効率化を図る重要なアイテムでした。

6. スズライトSS
所在地: 静岡県
日本の自動車産業の発展に寄与した、この軽自動車は技術革新の象徴となっています。

認定の背景

「機械遺産」は、機械技術の歴史的意義を認識し、その価値を後世に伝えるために日本機械学会が設けました。機械は単なる道具ではなく、技術者やユーザーによって育まれてきた文化の一部です。このプログラムは、そのような我々の技術と文化の遺産を守り、次の世代に伝える使命を果たしています。

機械遺産の候補は、会員や一般からの推薦に基づき、厳正な審査を経て選ばれます。また、認定された機械は記念として表彰され、その後も保護や展示を通じて人々に知られることになります。

未来へ向けた取り組み

現在、日本機械学会では2026年の認定候補を募集しており、次回の認定に向けた応募が受け付けられています。これまでに認定を受けた機械の一覧は、同会の公式ウェブサイトでも確認可能です。

このような取り組みを通じて、私たちの周囲にある機械技術の歴史とその変遷について再認識することができ、また未来の技術革新への道筋を考えるきっかけとなるでしょう。

具体的な認定式は2025年8月23日、東京都千代田区に位置する科学技術館で行われる予定です。
私たちの生活に直接影響を与える機械が、どのように私たちの歴史に根ざしているのかについて思いを馳せる機会を持ちましょう。