東京都、空港臨海部における水素利活用実現に向けた大規模調査を実施へ！パイプライン敷設等検討、事業者を募集

東京都、空港臨海部における水素利活用実現に向けた大規模調査を実施へ！

東京都は、エネルギーの安定供給と脱炭素化に向けた取り組みの一環として、都内における水素エネルギーの需要拡大と早期社会実装化を目指しています。

2024年4月には、将来的な海外からの水素受入を想定した官民協議会を設置し、東京都内における水素供給体制構築に向けた議論を進めてきました。

そしてこの度、空港臨海部において、パイプラインの敷設等を伴う大規模な水素の利用や供給の実現可能性調査（フィジビリティスタディ）を実施する事業者を募集することを発表しました。

水素供給体制構築に向けた検討事業の詳細

今回の公募事業は、東京都が推進する「空港臨海部におけるパイプライン等による水素供給体制構築に向けた検討事業」です。

この事業の目的は、都内における将来的な水素需要の拡大と大規模な水素供給体制の構築に向け、熱電併給、モビリティ、工業用熱源、化学原料など、様々な用途での水素利用を検討することです。特に、パイプラインの敷設等を伴う大規模な水素利用・供給の実現可能性を調査します。

事業のスケジュール

公募要領の公表は2024年6月24日から、質問受付は同日から7月1日までとなっています。

提案書の提出期間は7月4日から同月25日まで、審査会は8月1日、審査結果通知は8月上旬、協定締結は8月下旬を予定しています。

事業の実施方法

事業者は、提出された提案書と審査会当日のプレゼンテーションに基づき、東京都が設置する審査委員会にて厳正に審査されます。1～2者程度が選定され、グループでの応募も可能です。

選定された事業者と東京都は協定を締結し、事業を実施することになります。

東京におけるパイプラインを含めた水素供給体制構築検討協議会との連携

本事業の実施状況は、必要に応じて東京都が設置している「東京におけるパイプラインを含めた水素供給体制構築検討協議会」の構成企業等へ提供されます。

これは、将来的な水素需要の拡大と大規模な水素供給体制の構築に向けた取り組みを推進するためです。構成企業等への情報提供は、事業者と事前に調整した上で、適切な方法で行われる予定です。

「未来の東京」戦略との連携

本事業は、「未来の東京」戦略を推進する事業の一つです。特に、同戦略の14番目の項目である「ゼロエミッション東京戦略」に貢献する事業となります。

まとめ

東京都は、空港臨海部における水素利活用実現に向けた大規模な調査を実施することで、水素エネルギーの需要拡大と早期社会実装化に向けた取り組みを加速させることを目指しています。

本事業は、東京都の脱炭素化に向けた取り組みの重要な一歩となることが期待されます。

東京都の水素利活用に向けた取り組み、その意義と課題

東京都が空港臨海部における水素利活用実現に向けた大規模な調査を実施することは、エネルギー安定供給と脱炭素化という重要な目標達成に向けた積極的な取り組みと言えるでしょう。

期待される効果

水素エネルギーは、燃焼時に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとして、近年注目を集めています。東京都が目指す水素社会の実現は、地球温暖化対策に大きく貢献し、持続可能な社会の実現に不可欠な要素となります。

今回の調査では、パイプライン敷設を含む大規模な水素供給体制構築の可能性が検討されます。これは、水素の安定供給と需要拡大を促進する上で非常に重要な要素です。

課題

一方で、水素社会の実現には、いくつかの課題も存在します。

まず、水素製造には、再生可能エネルギーなど、CO2排出量の少ないエネルギー源が必要となります。水素製造プロセスにおけるCO2排出量削減技術の開発は、今後も重要な課題です。

また、水素の貯蔵や輸送に関する技術開発も必要となります。特に、大規模な水素輸送には、安全性の高いパイプライン技術の確立が不可欠です。

加えて、水素利用の拡大には、社会全体での意識改革と政策的な支援が不可欠です。水素の安全性に関する理解を深め、水素関連産業の育成を促進する政策が必要となるでしょう。