現代アーティスト星野喜蝶による奉納作品『八幡三柱龍』
2026年10月17日、広島市東区の早稲田神社で行われた秋季例大祭前夜祭において、現代アーティストの星野喜蝶(KICHO)が奉納した作品『八幡三柱龍』が公開されました。この作品は、早稲田神社の御祭神である仲哀天皇、応神天皇、神功皇后の三柱を、それぞれ一体の龍として描いたものです。ここでは、作品の詳細とその背景について紹介します。
奉納作品『八幡三柱龍』の特徴
『八幡三柱龍』は、横180cm、縦90cmの大きさを持ち、約3か月の制作期間をかけて完成しました。使用した素材にはメディウムやアクリル絵の具が含まれ、独自のテクスチャー技法により立体的な表現が施されています。三体の龍が一つの光を仰ぎ、雲海を越えて力強く昇っていく姿が描かれており、その動きは観る者に感動を与えます。
光の当たり方や見る角度によって、龍や雲海に異なる表情が生まれるため、訪れるたびに新しい発見があります。このように、アートとしての視覚的な魅力が作品の大きな特徴となっています。
作品の背景に込められた思い
星野は、早稲田神社や牛田地区に息づく文化や歴史に着想を得て、作品を制作しました。早稲田神社の由来に関する古文書には、1503年に工事が始まり、1511年に神霊が安置されたとされています。この背景を踏まえ、作品に込めた「三」という数字や「道をひらく」というテーマが見えてきます。
古文書に記された歴史に加え、神社の名は「垚(あげ)」に由来しております。これは、土を三つ重ねた形を持ち、神社の成り立ちと深い関わりがあります。こうした歴史の深さを表現するために、作品には三体の龍が描かれ、その姿は神社の精神を体現しています。
また、平地を一変させ、新たな丘を築いたという過去を象徴する作品は、現在の我々がそれぞれの未来を創造するために踏み出す一歩の重要性を示唆しています。
早稲田神社について
早稲田神社は、500年以上の歴史を持つ神社で、江戸時代の古文書にも言及されています。安芸国の守護職であった武田氏が、鬼門にあたる牛田の地を祈願するために八幡神を祀ったことが始まりとされています。武田氏、毛利氏、浅野氏といった歴史的な支配者たちも崇敬を集め、地域とともに歩んできた神社です。
現代の社殿は1960年に竣工されるまで、原爆や火災などにより多くの試練を経ましたが、地域の方々の信仰によって再建され、今も多くの人々に愛されています。
星野喜蝶と『八幡三柱龍』のまとめ
星野喜蝶は、独自のアプローチで現代アートを創造するアーティストです。牛田に残る龍の昔話や早稲田神社の深い歴史を描くことで、彼は人々に感動を与える作品を生み出しました。訪れる人々がこの作品を通じて自らの未来を考えるきっかけとなり、地域の文化への愛着が生まれることを願っています。
『八幡三柱龍』は、参集殿前に設置されており、いつでも自由に鑑賞することができます。アートが地域の文化を支える重要な役割を果たすことを期待したいです。