自然と人を結びつける「日本全員百姓プロジェクト」の挑戦

近年、経済的成長の一面だけではなく、本来求められる「豊かさ」を取り戻していくことが重要視されています。これに向けて、一般社団法人SEA（Social Entrepreneur Association）は、「社会起業家の創出」を中心に活動を展開してきました。しかし、根本的な問題として「自然界」の損失がある中での活動は根拠に欠けるなと感じ、現状を変えるための新たな試みとして「日本全員百姓プロジェクト」を始めることを決意しました。

環境に優しい新たな農業の形

現代の農業が環境に与える影響をご存じでしょうか。私たちの生活に必要不可欠な食物の生産は、実は地球環境を脅かす要因となることもあります。自然界は、森や川、海といった多様な生態系が循環し合い、成り立っています。雨が降り、土にしみ込み、やがて川を経て海へとつながります。しかし、化学農薬や肥料の使用は、その循環を破壊し、結果的にすべての生き物に悪影響を及ぼしています。

そこで、最新のプロジェクト「日本全員百姓プロジェクト」が千葉県匝瑳市で始まります。食糧生産の源となる稲作からスタートし、自然との共存、そしてそれを支える人々の意識改革を目指します。この土地で、飯高神社前の環境を活かし、まずは地元の稲作から取り組み始めることにしました。

なぜ稲作から始めるのか

日本人の食生活の根底にあるのが稲作です。それは、先人たちが代々、その技術と知恵を受け継いできた証です。チームは、先人への感謝の意を込め、野菜ではなく稲作から始めることにしました。稲作を通じて、食卓に上るまでの過程を地域の人々と共に感じ、その大切さを再認識できる場を提供します。

私たちの活動では、全国の循環型農業を実践する農家とのネットワークを構築し、企業の福利厚生やCSR活動の一環として、農業の意義を広めていきます。この取り組みが、参加する皆さんに「百姓」としての理解を深め、自然とのつながりを感じてもらう機会になると信じています。

「百姓」を意識する意義

現在、物質的な豊かさを求める生活の中で、実は「百姓」本来の意味を見失っているのではないでしょうか。昔、中国の漢字「百」を使った「百姓」は、すべての人々を示す言葉でした。それは、全学生たちが共に自然とともに生きていた時代の名残があります。今、再びその意識を呼び戻し、自然環境と調和を持った生活を目指していくことが求められています。

私たちの「日本全員百姓プロジェクト」は、人々の「心」を耕すことから始まります。日常生活の中で自然の大切さを再認識し、食への感謝、さらにはコミュニティの幸福度向上を図る要因となることを目指しています。自然の循環を理解し、その中で生きる意義や方法を考えることが、現代人には求められているのです。

今後の展望

これからの活動にご期待ください。私たちは、自然と共に立ち上がる「日本全員百姓プロジェクト」を推進し、持続可能な未来を創造するために、人々の意識を変える取り組みを進めていきます。参加者が自然との絆を深め、自分自身の豊かさを感じ取れるような環境を整備していくことが、私たちの使命です。協力して共に成長していきましょう。