丸紅がERPシステムをGRANDITにリプレースし業務効率化へ
丸紅株式会社は、双日テックイノベーション株式会社(STech I)の支援のもと、ERPシステム「GRANDIT」を導入しました。この導入は、同社の2本部と関連会社の2社において行われており、業務の効率化とコスト削減を目指しています。
GRANDIT導入の背景
丸紅は1999年にSAP R/3を導入し、業務環境の多様化に対応するために5,000を超える機能を開発しました。しかし、2020年のSAP ECCにアップグレードした際には、これらの機能の移行に大きなコストが掛かりました。このため、2027年末にSAP ECC 6.0のサポートが終了する前に、新たなERPシステムへの移行を決定しました。
外部因子として、調査の結果SAP S/4HANAへの移行には時間と費用がかかることが判明しました。そのため、丸紅は全社的な統一を見直し、各領域に最も適したERPを導入する選択をしました。この結果、GRANDITが選ばれることとなりました。
GRANDITの選定理由
GRANDITの選定にはいくつかの理由がありました。特に、商社や関連企業での導入実績が豊富であること、機能が標準装備されているためスムーズなデータ連携が可能であること、そしてコンソーシアムによる共同開発が行われている点が決め手となりました。STech Iは20年近い導入経験を有しており、商社業務に関する専門的な知識が評価されました。
導入後の効果
GRANDITの導入により、丸紅は開発コストや運用コストの削減を実現しました。特に次のようなメリットが報告されています:
- - コスト削減: 各部門に最適なERPを選定することで、開発コストを約30%抑えることが可能となりました。
- - リソースの効率化: 導入が段階的に進むことで、人的リソースを分散し高騰するSE人件費への対策も図りました。
- - 業務の見直し: ペーパーレス化やリモートワークの普及により、業務効率が大幅に向上しました。
将来的には、2029年までにGRANDITを他の本部や関連会社に拡張する計画があります。
丸紅のコメント
丸紅の情報企画部 部長代理 寺井寛様は、本プロジェクトの進行中における共同作業の重要性を強調しています。「商社ビジネスにおいて基幹システムをGRANDITに移行することは新たな挑戦であり、STech Iのサポートによりコスト削減と保守性の向上を達成しています」と述べています。
丸紅と双日テックイノベーションの概要
- - 丸紅株式会社: 日本を代表する総合商社。設定は1949年。生活、情報、アグリ事業、化学品、エネルギーなど多岐にわたる事業を展開。
- - 双日テックイノベーション: 1969年設立。最新のITソリューションの提供、システム開発、デジタルトランスフォーメーションに特化したサービスを展開。また2024年から社名変更を行い、STech Iとして新たなビジョンを掲げています。
今後も、この取り組みがどのような成果を上げるのか注目されるところです。