観光特急「しまかぜ」車掌のカバンが新調
観光特急「しまかぜ」の車掌が使用するカバンが、12月1日(日)から新しいデザインに一新されます。これまでのカバンは使われていましたが、今回のカバンには「しまかぜ」のプレミアムシートで実際に使用されていた皮革が再利用されています。環境にやさしいアップサイクルの取り組みが評価されています。
地域との連携による製作プロセス
この新しいカバンの製作には、近鉄沿線に位置する企業の協力がありました。その中には、カバンのデザインや裁断、縫製を担う株式会社ナダヤや、カバン前面のポケットに使われるユニークなボタンを製造するカネエム工業株式会社があります。これにより、地域の産業振興にも寄与しており、相互に利点を得る形での共同作業が行われました。
SDGsへの貢献
新しく製作されたカバンは、持続可能な資源利用の観点からも意義深いものとなっています。本来であれば廃棄される可能性のあった皮革を再利用し、地域企業とのパートナーシップを通じて地場産業を活性化させるこの取り組みは、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献しています。
今後の展望
このカバンは2024年の使用開始以降、常に「しまかぜ」に乗務する車掌によって使用される予定ですが、ビジネスの特性上、時折担当列車が変更されることがあるため、使用しない場合もあるかもしれません。なお、一般向けの販売は現時点では予定されていないようです。
「しまかぜ」とは?
観光特急「しまかぜ」は、2013年に伊勢神宮式年遷宮に伴い運行を開始した特急列車です。大阪難波、近鉄名古屋、京都から賢島駅へと向かいます。愛称の「しまかぜ」は、志摩の爽やかな風をイメージしたものです。車内は、プレミアムシートの他に、グループ専用のサロン席や和風・洋風の個室、さらには沿線の名物を楽しむことができるカフェ車両も備えています。
10年以上の運行を経て、2024年10月末には約270万人の旅客がこの特急を利用しています。「しまかぜ」は、ただの移動手段ではなく、乗客に特別な体験を提供する観光の一環とも言えるでしょう。これからも新たな取り組みと共に、魅力ある特急としての姿勢を見せてくれるに違いありません。
新しいカバンのデザインとその意義に注目しながら、これからの「しまかぜ」にも期待が高まります。