TOKYO ECOLOGICAL NETWORK : 自然と都市の新たな共生
2025年11月から始動する「TOKYO ECOLOGICAL NETWORK」は、東京都目黒区のComoris DAO合同会社と、Green Connection TOKYOが共同で進めるネイチャーポジティブプロジェクトです。これは、東京にかつて存在した在来の動植物を呼び戻し、都市の風景に再び息吹を吹き込むことを目的としたものです。皆さん、都市生活と自然との調和について考えてみたことはありますか?
プロジェクトの背景
気候変動や生物多様性の喪失は、私たちが直面する重要な課題となっています。都市化が進む中で、道路や建物によって多くの動植物の生息地が失われてしまった現状を踏まえ、都市では自由に移動できる「野生の道」が求められています。「TOKYO ECOLOGICAL NETWORK」が目指すのは、動植物が自由に行き交い、持続可能な生態系を築くことができる都市の実現です。
プロジェクトの概要
本プロジェクトの中心となる「Comoris」は、渋谷区・宇田川流域の空き地を利用したシェアフォレストです。ここでは、古くからこの地域に存在した在来植物の種子を蘇らせ、新たな生物多様性の拠点を築いていきます。この取り組みを通じて、都市の空間を活用しながら、動植物の生息環境を改善し、「野生のためのインフラストラクチャー」を再構築していきます。
3つの主要コンセプト
プロジェクトには大きく分けて3つのコンセプトがあります。
1.
流域ビオトープの再生: 渋谷の宇田川流域に眠っている「種子のタイムカプセル」を利用し、かつての植生を再生させます。調査によると、ここには高度成長期以前の在来植物の種子が眠っている可能性があります。これを発芽させることで、失われた生態系を現代に再現しようとしています。
2.
クリティカルメイキング: プロジェクトの進行に際して、単に自然を復元することを目指すのではなく、「つくりながら考える」というアプローチを重視します。実際に小さな池を作り、生物との関わりを学びながら、持続可能な都市の未来を探求することが重要です。
3.
人間の再野生化: コンクリートに覆われた都市に再び野生の道を作ることは、私たち自身を自然と結びつける行為でもあります。自然との接点を取り戻し、エコロジカルネットワークを感じることで、持続可能な生活を実現します。
キックオフプログラムの詳細
プロジェクトは2025年11月から2026年3月にかけて、専門家による講義とデザイン実践を組み合わせたプログラムを実施します。様々な専門家の講義を通じて、都市の生態系やビオトープの意義を学び、実地でのフィールドワークも行います。具体的には、オンラインセミナーや実地調査を通じて、流域の特性を学び、「つくりながら考える」体験をします。
参加方法や詳細は公式サイトをご覧ください。
Comoris公式サイト
Green Connection TOKYO公式サイト
このように、TOKYO ECOLOGICAL NETWORKは個人だけでなく企業や行政とも連携し、持続可能なまちづくりを促進するための新しいプラットフォームを目指しています。東京の景観を変えるこのプロジェクトに、ぜひご注目ください。