中高生の音読学習が発展途上国の支援に貢献する取り組み
コトバンク株式会社が実施する「360米粒アクション」は、英語音読クラウド「リピートーク」を活用し、中高生の音読学習を通じた社会貢献型のプログラムです。今年度は参加校数が昨年の17校から21校に増加し、より多くの生徒が英語学習を通じて国際課題に意識を向ける機会となりました。
特筆すべきは、生徒たちの音読学習の総時間が970,358分に達したことです。その結果、2,695食分の給食がNPO法人TABLE FOR TWO Internationalを通じて、開発途上国の子どもたちに届けられます。このプログラムは、単なる学びではなく、具体的な行動が社会に影響を与えることの重要性を教えるものとして、参加者の心に強く響くものでした。
音読学習の効果と意義
音読学習は、英語の4技能を高めるために非常に重要な手段です。生徒のモチベーションやエンゲージメントを維持するためには、学習の成果に対する実感が必要です。「360米粒アクション」は、参加者の音読学習時間に応じて寄付が行われる仕組みを持ち、360分の学習で米10,080粒に相当する給食が寄付されます。これにより、生徒は自らの学びが社会貢献につながっていることを実感し、より主体的に学ぶ姿勢を育むことができます。
今年度は国公立、私立問わず多くの学校が参加し、英語教育と国際理解が自然に結びつく場が実現しました。生徒たちは、同じ目標に向かって協力し合い、エンゲージメントを高め合うことで、ポジティブな連帯感が生まれました。各学校の参加者からも、多くの感動的な声が寄せられています。
参加校の声
例えば、市川中学校・高等学校では「英語学習が世界の人々を支える行動に繋がることを実感した」と教員が述べています。岡山県立瀬戸高等学校では生徒たちが、世界の悲惨な状況を見て強いショックを受け、自分たちの努力が「どこかの誰かの一食になる」とのメッセージが心に残ったと語っています。また、鎌倉女学院中学校高等学校では、自らの学びが途上国の子どもたちの生活を支えられることに意義を感じたと言います。
一方で、駒場東邦中学校では、具体的な地域を説明することで生徒たちの意識が高まったとも報告されています。生徒たちが、具体的に支援が届く子どもたちの顔や生活を思い描くことで、その意義が一層深まったのです。
プログラムの進行と成果
「360米粒アクション」は、2025年夏に参加校が決定し、秋から冬にかけてチャレンジ期間を設けています。今年度の結果は、2025年12月から翌年1月にかけて発表され、再度TABLE FOR TWO Internationalを通じて寄付が行われる計画です。
これまでの取り組みを通じ、参加校の教員たちからは、英語学習を通じて生徒たちが世界と繋がっている実感を持たせることができたと高く評価されています。また、SDGsに基づく国際理解教育の実施にも貢献しているとの声も寄せられています。
結論
コトバンク株式会社の代表取締役小泉純氏は、「360米粒アクションは学習と社会貢献をつなぐ新しい教育モデルとして位置づけています。学ぶことが誰かの力になると実感することで、生徒の視野が広がることを期待しています」と語っています。音読学習がもたらす社会貢献の重要性を再認識し、教育現場での好循環を生み出していくこのプログラムは、今後も多くの学生に影響を与えていくことでしょう。