女性監督の挑戦
2024-12-11 10:36:26

劇団印象が描く日本映画女性監督第一号の挑戦と栄光

日本映画に刻まれた女性の足跡



2025年2月、劇団印象-indian elephant-が吉祥寺シアターにて、第32回公演『女性映画監督第一号』を上演します。本作品は、日本映画の女性監督第一号として名を馳せる坂根田鶴子の波瀾の人生を描きます。彼女がどのようにして男性社会に立ち向かい、自らの映画を作り上げていったのか、その苦難と葛藤が深く掘り下げられることでしょう。

坂根田鶴子は1930年代に映画界に挑戦し、多くの苦難を乗り越えてきました。当時、女性監督はおろか、映画スタッフとして活躍する女性も非常に少なく、男社会の圧力にさらされる中、彼女は助監督から監督へと成長を遂げます。彼女の名は、名匠・溝口健二に認められ、ついには『初姿(はつすがた)』で監督デビューを果たします。

坂根の意思と『初姿』



坂根が自身の作品を作りたいと切望したのは、女性の自立と平等の価値観を体現するものでした。当時の日本映画に描かれる女性像は専ら恋愛対象であり、自立した存在として描かれることは少なかったのです。彼女は、男装の麗人として短髪でズボン姿で撮影現場を駆け回り、映像表現の限界を打ち破ろうと努力します。本作の前半では、女性監督への道を切り拓く姿が、男社会の壁に直面する様子と共に描かれる予定です。

満洲への挑戦



満洲に渡った坂根は、数々の文化映画、特にドキュメンタリー映画の監督として活躍することになります。しかし、その後の歴史的視点から見ると、彼女が手掛けた作品は、当時の満洲日本政府のプロパガンダ映画として評価されることになりました。本作の後半では、彼女が命を懸けて制作した『開拓の花嫁』に焦点を当て、その作品が持つ意味合いについて深掘りされることになります。

本公演の背景



この公演の作・演出を担当する鈴木アツトは、坂根田鶴子の存在が単なる過去の一コマではなく、現代にもなお共感を呼ぶ重要な意味を持つと語ります。彼は、彼女が直面した“ガラスの天井”を突破する姿を通じて、現代の女性たちにも響くメッセージを届けたいという意義を強調しました。劇団印象は『国家と芸術家シリーズ』を展開する中で、女性視点のシリーズとして『天井を打ち破ろうとする女シリーズ』を立ち上げ、本作がその第一作目となります。

公演は、2025年2月8日から11日まで開催され、出演者には万里紗や佐乃美千子など、多彩な顔ぶれが揃います。また、特定の回ではアフタートークが設けられ、観客との対話の場も設定されています。本作は、女性の力強さや挑戦する姿勢、そしてその背後にある苦悩や歴史を忘れません。チケットはカンフェティにて予約可能で、多くの人々がこの公演を通じて、日本映画界における女性の重要性を再認識する機会を持つことが期待されています。

まさに、坂根田鶴子という先駆者の物語は、今なお多くの人々に勇気を与え、映像や演劇を通じて感動を可能にします。ぜひ、この貴重な劇に足を運んでみてはいかがでしょうか。


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ロングランプランニング株式会社
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