ブータンの養鶏業界が注目する紀州うめどり
2024年10月17日、和歌山県日高郡みなべ町にある紀州うめどり・うめたまご協議会に、ブータン畜産公社の養鶏専門家たちが訪れました。この視察は、日本の養鶏手法を学び、ブータン国内での肉類の生産・消費拡大を目的としています。
ブータン畜産公社の背景
ブータンは人口約80万人の小国であり、国内での食肉市場は限られています。そのため、豚肉や鶏肉は隣国インドからの輸入に依存しているのが現状です。この状況を打開するため、ブータン畜産公社は国内産肉の製品化を推進し、今回の日本視察を企画しました。
視察ツアーには、8名のブータンの専門家と4名の日本人専門家とともに、和歌山県畜産課の担当者と紀州うめどり協議会のメンバーが参加。お互いの経験や知識を共有しました。
交流の様子
ブータンの養鶏専門家は「どうすれば国産の鶏肉や豚肉がもっと受け入れられるか試行錯誤しています。この機会にぜひ、日本の生産改善手法を学びたい」と語っていました。養鶏手法や農場設備に関する説明の後、ブータン側からは「官民連携はどのように実現されているのか?」といった質問が出され、意見を交わしました。
紀州うめどりとその特徴
紀州うめどりは、和歌山県の伝統的な梅干しの生産過程から生まれたブランド鶏です。独自の梅由来の飼料「紀州梅そだち」によって育てられ、その味わいと品質が評価されています。「紀州うめどり」は、2008年に食味コンテストで最優秀賞を受賞し、全国的にも知られる存在となりました。しかし、2019年には経営破綻により一時生産を停止しました。
現在は新たに生産・販売のメンバーが集まり、約4年の歳月を経て復活を遂げた紀州うめどりを、一層の発展を目指し育成し続けています。記者による取材を通じ、紀州うめどりの味や生産方法に対する情熱が随所に見られました。
紀州ほそ川の取り組み
紀州うめどりに関与する株式会社紀州ほそ川は、和歌山県みなべ町で100年以上の歴史を持つ梅干し専門の会社です。同社は早くから梅の用途に関する研究を行い、梅酢を利用した特殊装置を導入。塩分のみを取り除いた梅酢の有効成分を活用し、様々な商品を開発しています。
受賞歴
紀州うめどり・うめたまご協議会は、過去に数々の公的な賞を受賞しており、その実績は国内外での信頼を得ています。主な受賞歴には、食肉産業展鶏肉部門での全国優勝やFOOD ACTION NIPPON AWARD等があります。
結論
ブータン畜産公社と紀州うめどりの交流は、両国の養鶏業の発展に寄与する重要な一歩です。和歌山県の経験を生かし、ブータンの自給自足の道が切り開かれていくことが期待されます。今後の動きにも注目です。