福祉が地域を再生するきっかけとなる都野夏祭り
大分県竹田市久住町の都野地区。この地域では少子高齢化や過疎化が進んでおり、約10年間祭りが途絶えていました。特に、竹田市立都野中学校は、地域のシンボルとして76年間の歴史を持っていたものの、令和5年3月31日に閉校となりました。しかし、この厳しい状況の中、社会福祉法人博愛会と九州アルプス商工会が共同で『都野夏祭り』を復活させたことで、地域に賑わいを取り戻しました。
今年の祭りは、昨年よりもさらに充実した内容で行われます。会場は旧都野中学校のグラウンドで、子どもからお年寄りまで老若男女が楽しむことができる環境が整っています。昨年の成功を受け、特に力が入れられているのが大迫力の打ち上げ花火大会です。来場者は「ほぼ真下から見上げることができる」迫力ある花火を堪能することができ、地域の伝統行事「ろうそく立て」も行われます。約1500本の竹灯籠が幻想的な光を放ち、小学生の絵画作品とともに美しい景観を演出します。
地元の若者が主体となる新たなお祭りの形
今年の都野夏祭りでは、地元の中学生たちが運営に積極的に参加し、地域貢献を体現しています。昨年の祭りでは彼らが司会進行やゲームの進行で大きな役割を果たしましたが、今年もその流れを引き継ぎます。また、地域の小学生も「都野あるあるクイズ」を企画し、ステージを盛り上げます。このように、自分たちの町のお祭りを自分たちで創り上げるプロセスは、子どもたちに楽しさや郷土愛を教える良い機会となっています。
さらに、約10台のキッチンカーが出店し、県内で評判の飲食店が美味しい料理を提供します。食事を楽しむことができるだけでなく、福祉施設の方々も地域の一員として祭りに参加し、誰もが楽しめる温かい雰囲気を作り上げています。
実行委員長のメッセージ
都野夏祭り実行委員会の委員長である木村歩さんは、「昨年は、町にこれほど多くの人が戻ってくるとは思わず、嬉しさのあまり男泣きしてしまいました。この祭りは地域の絆を再確認する特別な機会です。これからも障がいのある方々や地域の皆様が楽しめる場を共に創っていきたいと思います。」とコメントしています。
また、福祉法人博愛会の代表・浅倉文親さんも、「10年以上途絶えていた祭りが復活し、多くの人々が集まってくれることを感謝しています。博愛会は、今後もこの町のために尽力しますので、楽しみにしててください。」と話しています。
今年の都野夏祭り概要
- - 日時: 2024年9月21日(土) 16:30〜20:00(雨天決行)
- - 場所: 旧都野中学校グラウンド
- - 内容:
- 地元の園児によるダンス
- 地元クイズやくたみ太鼓の演奏
- 大迫力の花火大会と伝統行事「ろうそく立て」
- 約10台のキッチンカーによる飲食提供
このように、都野夏祭りは単なる地域のイベントにとどまらず、地域の活性化の象徴となっています。地域の皆が一体となって作り上げる祭りは、次世代へ向けての重要なバトンとなりそうです。皆さんもぜひ、今年の夏の思い出にぜひお越しください。