新カクテル登場
2025-06-03 11:13:29

皮膚マイクロバイオーム解析の可能性を広げる新カクテルの登場

日本初、皮膚常在微生物カクテルの提供が開始



独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が、2025年6月2日から新たに「NBRC皮膚常在微生物カクテル」の提供を開始することになりました。このカクテルはヒトの皮膚に生息する微生物群を模したもので、今後の皮膚マイクロバイオーム研究、特に化粧品研究開発に寄与することが期待されています。

皮膚マイクロバイオームの重要性



最近の研究では、皮膚マイクロバイオームが皮膚の健康維持やアトピー性皮膚炎、乾癬といった皮膚疾患に大きく関与していることが明らかになっています。皮膚に生息する微生物は、人体の外的環境や生活習慣と密接に関連しており、これを有効に活用することで住環境の改善や法医学的識別への応用も期待されています。

しかし、皮膚マイクロバイオームは他の部位に比べると細菌の数が少なく、真菌の割合が高いといった特性があります。そのため、サンプリングや処理方法の違いによって結果にばらつきが生じやすく、研究の信頼性が課題となっていました。

新たな研究の道しるべ



NITEが提供を始める「NBRC皮膚常在微生物カクテル」は、こうした課題を解決するために開発されました。これは、皮膚に常在する14種類の細菌と4種類の真菌からなるカクテルで、2つの異なる形態があります。

1. NBRC皮膚常在菌菌体カクテル:皮膚常在の細菌と真菌の細胞や胞子の混合物で、実験手法の妥当性評価に最適です。
2. NBRC皮膚常在菌DNAカクテル:対象微生物のゲノムDNAを混合したもので、データ解析方法やシーケンスライブラリの調整に利用されます。

これにより、実験におけるデータの妥当性と信頼性が向上することが期待されます。特に、化粧品の研究開発において高い精度管理を維持することができるため、商品の効果や安全性が科学的に証明されることとなります。

データの一貫性とその影響



さらには、「NBRC皮膚常在微生物カクテル」に加えて、皮膚マイクロバイオーム解析の手順をまとめた「JMB皮膚メタゲノム解析推奨プロトコル」も提供されます。これによって、研究者は一貫した手法を用いることが可能になり、高い再現性と信頼性のあるデータを収集することができるようになります。

このデータの確実性向上は、皮膚科の医療研究やスキンケア商品の開発といった分野において大きな進展をもたらすことでしょう。

共同研究の成果



なお、今回のカクテルの開発は一般社団法人日本マイクロバイオームコンソーシアム(JMB)や国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究によって実現しました。これにより、産業界においてもデータの信頼性が向上し、皮膚マイクロバイオームの重要性に対する認識が深まることが期待されています。

今後、NBRCの関連情報や製品ラインナップは、NITEの公式ウェブサイトでもご覧いただけます。
さらに、微生物と共に未来を創るための取り組みを紹介する動画も公開されていますので、ぜひこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。


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製品評価技術基盤機構(NITE)
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