中学生・高校生の学習傾向調査とその結果
株式会社リンクアンドモチベーションが展開するモチベーションエンジニアリング研究所は、「中学生・高校生の傾向」に関する調査を行い、その結果を発表しました。これは、今の時代を生きる学生たちが直面している学習環境や心理的負担を明らかにするための重要なデータです。
調査の背景と目的
近年、教育環境は大きく変化しています。少子化が進む中で、教育費は逆に増加の一途をたどっています。学習塾やオンライン教材といった選択肢が増加したものの、それに伴う中学生や高校生の心理的な葛藤も増しています。彼らは学年が上がるにつれて、学習内容の難易度が上がるだけでなく、部活動や友人関係の変化、進路選びなど、新たな負担が加わります。
そのような背景を踏まえ、今回の調査では、中学1年生から高校3年生を対象に、学習意識や進路観の違いを明らかにし、各学年における支援の必要性を考察することを目的としています。
調査概要
この調査は、モチベーションエンジニアリング研究所が使用するプラットフォーム「BRIDGE」を通じて、2016年1月から2025年10月の期間に受検した中学生と高校生合わせて約2500名を対象に行われました。分析は、各学年ごとに結果を整理する形で進められました。
調査結果のハイライト
調査結果によると、中学生と高校生は共通して、右脳的な発想力が高く、左脳的な計画力が低い傾向が明らかになりました。特に、中学生では、中学3年生は中学1年生と比べて右脳的な対課題力や内向的な対自分力が低下するという興味深い結果が得られました。それに対し、高校生では、高校3年生が高校1年生と比較すると、対課題力、対自分力、対人力がすべて高い傾向がありました。彼らは、自制心を持ち、学習を継続しつつ、必要な場面では思い切った決断を下す能力に長けているようです。
このような背景下で、高校3年生は、論理的に思考し、多角的に物事を捉える能力がさらに発展していることもわかりました。このような姿勢は、テクニックに頼るのではなく、物事の本質理解に重きを置く傾向が伺えます。
今後の課題と展望
今回の調査結果から、時として中高生が持つ発想力や人間関係のスキルが、周囲との調和を優先するあまり、十分活用されていない可能性が指摘されました。これにより、挑戦を避けたり自信を喪失したりする恐れもあります。
この問題を解決するためには、以下のような点が重要となるでしょう。まず、自分の意見や発想を否定するのではなく、しっかりと受け止めて承認することが必要です。また、学習や挑戦の意味を理解し、自ら目的を言語化できるような環境を提供することも重要です。最後に、自らの計画や行動を振り返る機会を持つことで、計画力や自己内省力を育成する支援が求められます。
今後は、家庭や学校、そして社会全体が学生たちの強みを基にした教育的関与を行い、持続的な成長を促進することが期待されます。