第33回金融機能強化審査会の概要
令和7年9月4日に、中央合同庁舎第7号館で第33回金融機能強化審査会が開催されました。ここでは、委員による金融機関の経営強化計画についての審議が行われました。出席者には松下淳一会長や前田博会長代理をはじめ、金融庁の指導者たちが参加し、重要な議題について詳しく話し合いがなされました。
議題と主な質疑内容
経営強化計画の審議
審議会では、豊和銀行、筑波銀行、東北銀行のそれぞれの経営強化計画について説明がありました。会議の中で、特に注目されたのは豊和銀行の権藤頭取からの新たな経営強化計画の概要でした。この説明に際し、以下のような質疑応答が行われました。
- - 国債等の評価損の処理状況についての質問があり、国債の含み損を抱える債券について売却および償却したことが触れられました。
- - 信用コストの急増の原因についての質疑では、予期せぬ大口倒産が影響したことが明かされ、今後の信用リスク管理に対する懸念も示されました。
さらに、預金のデュレーションや自己資本についての質問もあり、豊和銀行は金利の変動に対するリスクを軽減するため、デュレーションを短期に維持していることを説明しました。
筑波銀行の新戦略
筑波銀行の生田頭取は、タレントマネジメントシステムの導入を通じた人材育成の進め方について説明し、今後の人材育成に務めていく姿勢を示しました。また、相続関連での預金流出に対する対応策として、相続者向けの金利優遇を導入したと明かされました。
東北銀行の計画
同じく佐藤頭取が発表した東北銀行は、マイナス金利回避のために地方債や国債に投資しているが、金利上昇がリスクを孕むことに対する懸念を示しました。特に地方債の評価損益が影響を与えていることが議論されました。
総論: 金融機関への期待
審議会では、金融機関が直面する課題に対して一つ一つ丁寧な対応が求められるとの意見が多く寄せられました。各銀行がそれぞれの特色を持って経営強化に向けた施策を講じることが、金融機関全体の健全性を向上させるために重要であると強調されました。
特に、人口減少や経済基盤の不安定さを打破するためには、しっかりとしたリスク管理が欠かせないとし、金融庁としても監視体制を強化する必要があると結論づけられました。経営強化計画の承認後、構造改革や地域経済への影響がどのように進展していくのか、今後の展開が期待されます。
本議事要旨は暫定版であり、今後の公開に向けて変更が生じる可能性があります。