シリア出身難民がエンタメ業界で活躍!NPO法人WELgeeが支援した挑戦
NPO法人WELgeeが支援するシリア出身の難民Rさんが、エンタメ制作会社・株式会社フェリーチェに正社員として採用されたことが明らかになりました。Rさんは、シリア内戦の影響でトルコに避難後、日本に渡り国際基督教大学で情報科学を専攻。持ち前のプログラミングスキルとグローバルな視点が評価され、フェリーチェのアプリ開発やコンテンツ制作に貢献しています。
フェリーチェは、TV・動画制作や楽曲制作など、エンタメコンテンツ制作を手がける会社です。代表取締役社長の相川真紀さんは、WELgeeの理念に共感し、人材採用時にWELgeeに相談することを決めていたそうです。
Rさんは、フェリーチェで3ヶ月の試用期間を経て、2024年6月に正社員として採用されました。現在、アプリ開発やWEBマガジン記事のライティング、グローバルなコラボコンテンツの作成など、多岐にわたる業務に取り組んでいます。
Rさんが開発したアプリ「すきぴクイズ」は、恋人や友達に送って解いてもらう、自分に関する5問のクイズアプリです。正解率によって「赤の他人レベル」「親友レベル」などが判定できます。Android版は既にリリースされ、iPhone版は7月リリース予定です。
相川社長とRさんの「運命の出会い」
相川社長はRさんの採用について、「化学反応を生み出す」と表現しています。世界を見据えたVTuberやメタバース、新たなエンタメに挑戦していくために、Rさんのグローバルな視点とアイデアが必要だと感じたと語ります。
WELgeeの就労伴走事業キャリアコーディネーター圓山佐登子さんは、「Rさんのスキルや実務経験は少ないながらも、キャリアへの志向性やパッションは相川社長やフェリーチェと非常にマッチしていました。まさに運命の出会いだったと思います」と、二人の出会いを喜びます。
言語の壁を超えた二人三脚
Rさんと相川社長は、日本語と英語を使いながら日々コミュニケーションを取り、二人三脚で仕事を進めています。言語の壁はありますが、IT翻訳などを活用しながら、令和らしいユニークな働き方を実践しています。
Rさんのアイデアとフェリーチェの事業展開が融合し、世界で「バズる」コンテンツが発信されることを期待しましょう。
WELgeeの取り組み
WELgeeは、日本に逃れた難民と共に未来を築く団体です。難民認定の厳しい日本で、難民一人ひとりがキャリアや人生の目標を追求できる道筋を、多様なセクターとの協働を通じて目指しています。
難民人材の強みを、日本企業のダイバーシティ推進・イノベーション創出に生かす人材紹介サービス「WELgee Talents」、キャリア教育やメンターシップ、スキル開発などの育成機会を提供する「育成事業」、一人ひとりの難民が持つスキルや経験を、日本社会の様々なアクターの課題解決に生かし、お互いの強みを生かした価値創造を行う「共創事業」を運営しています。
難民の定義とWELgeeの考え方
難民とは、「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」を指します。
WELgeeは、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・難民認定申請者・後発的難民(帰国困難な状態にある元留学生等)・避難民なども含めています。
WELgeeは、「難民」を保護対象としてのみならず、一人ひとりが志や経験をもった個人として捉えています。政府による難民認定だけをゴールにするのではなく、難民の人生の再建の選択肢を増やす取り組みを行っています。