ダイアログ・セミコンダクター、日本向け急速充電ICをリリース
ダイアログ・セミコンダクター、日本市場に急速充電ICを投入
2014年5月、ダイアログ・セミコンダクターが新たに提供する急速充電IC「iW620」が日本のスマートフォン充電市場に導入されました。これは、クアルコム社が提唱するクイックチャージ2.0規格に準拠したAC/DCアダプタ用インターフェースICで、特に大手メーカーのホシデン株式会社を通じて出荷されます。
新製品の特徴と利点
この新たな製品「iW620」には、一次側デジタル・コントローラ「iW1760 PrimAccurate™」が搭載されており、ホシデンのCBC2112アダプタに組み込まれる予定です。このアダプタは、日本の大手通信事業者向けに設計されています。ホシデンの技術部長である平井健治氏は、ダイアログ社の技術を活用することで、急速充電用ACアダプタの開発が可能になったと述べています。
具体的には、この新製品は3つの出力(5V、9V、12V)に自動的に切り替える機能を持ち、従来の製品と比較して高い出力を実現しています。これにより、消費者が求める短時間での充電が可能になると期待されています。また、高精度な出力やPLC(電力線通信)の干渉対策が施されている点も注目されています。
市場背景とニーズの変化
スマートフォンやタブレットの市場では、消費電力が増加している一方で、充電時間の短縮が重要な課題となっています。電力を大量に消費するアプリケーションの普及に伴い、充電時間を短縮できる技術が求められています。クイックチャージ2.0は、従来のUSB充電技術よりも最大75%も充電時間を短縮できるため、消費者からの注目が集まっています。
ダイアログ・セミコンダクターのバイスプレジデントであるマーク・ティンドル氏は、ホシデンとの緊密な協力関係により、急速充電ソリューションを市場に早く導入できたことを非常に喜んでいると話しています。両社の協力は、ダイアログの技術力を証明するものであると彼は強調しています。
環境規制への対応
iW620は、クイックチャージ2.0 HVDCP(High Voltage Dedicated Charging Port)クラスAアプリケーションに対応しており、一次側PWMコントローラであるiW1760を搭載しています。これにより、高速な電圧遷移と30mW未満の低待機電力を実現。この急速充電アダプタは、米国エネルギー省が定めた100mW未満の待機電力を求める最新の基準に加え、European Code of Conduct Version 5、Tier 2、またはEUエネルギー関連商品指令(ErP)などの厳しい環境規制にも対応可能です。
まとめ
急速充電技術の進化は、日常生活でのスマートフォン使用を効率的にサポートします。ダイアログ・セミコンダクターの取り組みは、日本市場においても新たなスタンダードを築く可能性を秘めています。今後、この技術が広く普及していくことが期待されています。詳しい情報は、公式ウェブサイトで確認できます。
会社情報
- 会社名
-
ダイアログ・セミコンダクター株式会社
- 住所
- 東京都新宿区西新宿6-10-1
- 電話番号
-