ドコモグループ、セルラードローンを使った変電所の無人点検を実施

ドコモグループが実施した変電所の無人点検実証実験

NTTコミュニケーションズ株式会社（以下、NTT Com）は、2025年の2月と3月に北陸電力送配電株式会社および富山電気ビルデイング株式会社、株式会社NTTデータ北陸の協力を得て、セルラードローン「Skydio X10」を利用した変電所の無人点検に関する実証実験を行いました。この試みは、変電所の設備点検業務の効率化と安全性を高めることを目的とし、実際にドローンを用いた巡視点検の効果を検証するものです。

背景

変電所は電力供給の中心となる重要なインフラですが、常駐の作業員が不足している場合も多く、効率的な点検作業が求められています。特に、現場までの距離がある場合、作業員の負担は大きくなります。このため、ドローンを利用した点検作業の自動化が注目されています。しかしドローンによる無人点検には、高度な技術と安全飛行が求められるため、安定した運用には技術的なチャレンジが伴います。

実証実験の概要

今回の実証実験では、次の点に焦点を当てて検証が行われました。

1. GNSS情報に依存しない安定飛行
「Skydio X10」は、特に変電所内のような密集したエリアで、上下に配置された6つのカメラを使用して位置を推定し、GNSS情報が乏しい環境でも安定した飛行が可能です。本実験では、LTEおよび無線通信を駆使して、電力設備が集中するエリアでの飛行性能を確認しました。

2. 自動巡視による点検作業の効率化
屋外用ドローンポート「Skydio Dock for X2」を用いることで、操縦者は遠隔地からドローンに飛行指示を出すことができます。変電所内に設置したドローンポートに、自動巡視の飛行計画を設定し、何度も自動で点検飛行を行い安定してデータを取得できることを確認しました。実際の実証の様子は、以下の動画でも確認できます。

実証の様子

今後の展開

実証実験を通じて、送電設備が集中するエリアでのドローン飛行の可能性が確認されました。今後は、「Skydio X10」を活用した無人巡視システムの実現に向けて、セルラードローンの活用方法を考慮したルート設計やデータ取得の効率化に取り組む予定です。

NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、法人事業を統合し「ドコモビジネス」を形成しました。「つなごう。驚きを。幸せを。」というスローガンのもと、私たちは新たな価値創造と豊かな社会の実現に努めています。

私たちの活動は、こうした先進的な技術導入を通じて進化していくことでしょう。