エコノミクスデザインが新たに特許取得
株式会社エコノミクスデザイン(EDI)は、新しい価格調査手法「BDMオークション」に関する特許を正式に取得しました。この手法は、ノーベル経済学賞を受賞したVickreyのオークション理論を基に構築されており、参加者の実際の行動に基づいた非常に高精度な価格調査を可能にします。
BDMオークションの特徴
BDMオークションは、オークション形式で行われる調査手法であり、参加者が実際に金銭を支払う決定を行うため、仮想的な環境においても消費者のリアルな価格感度を正確に測定することができます。この手法は、従来のアンケート調査にありがちな仮想バイアスや戦略的な回答を排除するように設計されています。具体的には、参加者は調査に対して真摯にリアルな支払い意思額を示すことが期待されます。
仮想バイアスとは、調査において回答者が実際の支払い行動とは異なる金額を回答しがちな傾向のことを指します。例えば、実際に支払う必要がないため、一般的に高めに答えてしまう傾向があります。一方、個人の戦略的な回答とは、自己の利益を最大化するため、回答を意図的に操作することを指します。このようなバイアスから解放されることが、BDMオークションの大きな利点です。
特許取得の意義
この特許では、BDMオークションのプロセスを調査対象者に理解させる手続きや、金額の取得方法、乱数設定と生成方法、さらにはデータを用いた売上予測に関する技術が含まれています。今回の特許技術はすでに企業のさまざまな商品価格決定において利用されています。
価格設定の重要性
最近のコストプッシュインフレの影響で、企業は価格設定について再考を余儀なくされています。特に新製品やリポジショニングにおける価格設定は、一筋縄ではいきません。既存の調査手法では感じられる仮想バイアスや戦略的回答の影響を受ける可能性が高いとされています。そのため、BDMオークションのような新しいアプローチが求められています。
企業への影響と今後の展開
今回獲得した特許を礎に、エコノミクスデザインは、さらに多くの企業がBDMオークションを利用しやすくするための研究開発を進めています。経済学の深い知見をビジネスに活用することで、我が国の企業の生産性向上にも寄与したいと考えています。
エコノミクスデザインは、「経済学でビジネスを科学する」をモットーに掲げており、多くの大学に所属する専門家がその知識と経験を支えています。新たな特許技術の実用化に向け、エコノミクスデザインは今後も革新を追求し続けていくことでしょう。