朝日新聞デジタル特集が「日本タイポグラフィ年鑑2025」で快挙!
2025年、権威あるデザイン賞「日本タイポグラフィ年鑑」において、朝日新聞社が2つの賞を受賞するという快挙を成し遂げました。年間最優秀作品に贈られるグランプリを受賞したのは、デジタル特集『プレミアムA 巌より-袴田さん 獄中からの手紙』。そして、インフォグラフィック部門では『空襲警報 やまぬウクライナ』がベストワーク賞に輝きました。
グランプリ受賞:『プレミアムA 巌より-袴田さん 獄中からの手紙』
このデジタル特集は、袴田巌さんが獄中で家族に宛てた2000通を超える手紙を基に制作されました。長年の冤罪と獄中生活で精神的に追い詰められた袴田さんの心情が、手紙の文字を通して深く伝わってくる、感銘深い内容となっています。審査委員長は、デザインが袴田さんと読者の間に橋渡しをする役割を果たしていると高く評価しました。
特集では、袴田さんの手紙を丁寧にレイアウトし、読者の心に響くよう視覚的な工夫が凝らされています。単なる報道記事を超え、デザインとジャーナリズムが見事に融合した、社会問題への深い洞察と共感、そして優れたデザイン性を併せ持つ作品と言えるでしょう。英語版も公開され、国際的な注目を集めています。
編集局デザイン部次長の原有希氏は、「取材班、デザイン部、エンジニア、コンテンツ編成チームが協力して制作した成果」と受賞の喜びを語りました。短期間で高品質なコンテンツ制作を実現したチームワークも評価されたと言えるでしょう。
ベストワーク賞受賞:『空襲警報 やまぬウクライナ』
2024年2月24日付朝刊に掲載された『空襲警報 やまぬウクライナ』は、ウクライナ侵攻開始から699日間にわたる空襲警報データを分析・可視化。国際報道部、デジタル企画報道部、コンテンツ編成本部、デザイン部の連携により、長期化する戦争の中でウクライナの人々が日々直面する現実を、日本の読者にも分かりやすく伝えています。
編集局デザイン部次長の加藤啓太郎氏は、「遠く離れた日本の読者にも、自分事として体感できるようなコンテンツを目指した」とコメント。データの可視化によって、戦争の現実をより深く理解できる、社会貢献度の高い作品となっています。
「日本タイポグラフィ年鑑」とは
1969年から発行されている「日本タイポグラフィ年鑑」は、文字を中心とした優れたデザインを表彰する権威ある賞です。国内外のデザイナー、研究者、教育者など約200人が所属するNPO法人「日本タイポグラフィ協会」が主催しており、そのグランプリ受賞は、デザイン界における最高の栄誉の一つと言えるでしょう。今年は国内外から2045点の作品が応募されました。報道コンテンツのグランプリ受賞は異例であり、オンスクリーン部門からのグランプリ受賞も初めてです。
まとめ
朝日新聞社の今回の受賞は、ジャーナリズムとデザインの融合が社会に大きな影響を与えられることを証明するものです。今後も、社会問題に対する関心を高め、より良い社会づくりに貢献する作品を期待したいですね。