新幹線による細胞輸送テストの実施
新たに実施された細胞輸送に向けたテストが、東京と新青森の間で行われ、医療分野における輸送品質の向上を目指した重要なステップとなりました。このプロジェクトは、株式会社日新、千代田化工建設株式会社、東京海上日動火災保険株式会社の3社の共同によるもので、医療物流における効率化と安全性の確保を目的としています。
輸送テストの概要
テストは2023年7月1日から2日にかけて実施され、新青森駅から東京駅までの区間で行われました。7月1日には神奈川県横浜市から東京駅、再び新青森駅までハンドキャリー輸送が行われ、7月2日には新青森駅から東京駅を経て、再度横浜市へ戻る形で「はこビュン Quick」を利用した輸送が行われました。輸送されたのはヒト骨髄由来の間葉系間質細胞で、特に温度と乾燥状態を適切に管理するため、パナソニックの高機能保冷容器「VIXELL」が使用されました。
各社の役割と専門性
株式会社日新
日新は1938年創業の総合物流企業で、国際的なネットワークを利用したDoor-Doorの物流サービスを行っています。医薬品物流においては特に細胞の超低温輸送に対応しており、安全かつ迅速な輸送を提供してきました。今回のテスト輸送では、医療分野での運用可能性が重要なテーマとなりました。
千代田化工建設株式会社
1948年設立の千代田化工建設はエンジニアリング分野で確固たる実績を持ち、医療分野にも注力しています。特にライフサイエンス事業部では、医薬品製造や研究施設の建設を担い、今回のテストでは細胞輸送が細胞に与える影響を解析する役割を果たしました。
東京海上日動火災保険株式会社
1879年に設立された東京海上日動火災保険は、高い分析力と経験を持つ損害保険会社です。今回のテストでは、細胞輸送プロセスにおけるデータの計測と分析を行うことで、さらなる輸送の安全性を高める支援を行いました。
今後の課題と展望
医薬品・メディカル分野での輸送は需要が高まっており、温度管理や取り扱い条件が重要な課題となっています。加えて、労働人口の減少や「2024年問題」と呼ばれる社会的課題が影響を与えています。このような状況の中で新幹線を利用することにより、輸送の時間短縮とコスト削減が期待されます。
今回のテストは、新幹線による定時性や安定したサービスの提供が確認されたものであり、さらに従来は保冷トラックによる手間のかかる輸送からの転換が図れる可能性を示しています。今後、テストから得られた知見をもとに新たな輸送サービスの構築が進むことでしょう。
会社情報
このプロジェクトに参加した株式会社日新は、最先端の医療物流を支え、多彩なサービスを提供している企業です。今後も引き続き、新しい技術を取り入れ、より良いサービスの提供に努めていくことでしょう。