生理と職場
2022-05-09 11:00:10

生理の悩みを抱える働く女性たちの声に耳を傾けよう

生理に関する実態調査から見えた課題



最近実施された調査により、20代から40代の働く女性の85%が生理に関連する悩みを抱えていることが明らかになりました。調査対象の中で、4,418人の女性が生理前や生理中の様々な症状に悩まされており、主な症状としては「腹痛」や「イライラ」、「気分の落ち込み」などが挙げられます。これにより多くの女性が日々の仕事や生活に支障をきたしていることがわかります。

また、働く女性1,200人に焦点を当てると、その中の約80%が生理の影響で仕事上で困難を感じた経験があり、77.6%が職場の理解を深めてほしいと強く望んでいます。彼女たちにとって、生理は身体的な苦痛だけでなく、メンタルにも影響を及ぼす重大な問題であるのです。しかし、実際に「有給の生理休暇制度」を利用している女性はわずか21.4%という結果で、制度があっても活用されにくい現状が浮き彫りになりました。これが更なるストレスの原因となっています。

生理の症状と仕事のパフォーマンス



調査によると、普段の仕事のパフォーマンスを100とした場合、生理中のパフォーマンスは平均80.2に低下することが報告されており、20ポイントもの落ち込みがみられます。これは、女性たちが生理中に感じるイライラや痛みが、仕事に大きな影響を与えることを示しています。また、生理に関する理解が職場に不足していることも、女性が抱えるストレスの一因であると言えます。

生理に対する対策の不足



残念ながら、調査では生理の症状に対して「対策をしない」と回答した女性は28.8%にも上りました。その理由は、「がまんできる」「方法がわからない」「仕方がない」といったあきらめの気持ちが主なものでした。さらには、女性の多くが生理と栄養の関係を認識しているにもかかわらず、実際には食事を工夫しているのはわずか15.1%に過ぎないという結果がありました。これは、適切な対策に取り組むことができていないことを示しています。

専門家のアドバイス



婦人科医の小林浩先生は、「生理の症状を我慢するという悪循環を断ち切り、生理に対するリテラシーを高め、自分自身の体に向き合うことが重要です」と述べています。生理は避けられない生理現象ですが、セルフマネジメントを通じて自分の体調を理解し、食事や生活習慣の見直しを行うことで症状を軽減することが可能です。特に栄養状態との関連性に着目し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

経済的な側面



さらに、経営学者の岡田正大先生は、生理に伴う仕事のパフォーマンス低下が経済に与える影響についても言及しています。生理によるパフォーマンス低下を1カ月に1日減らすことができれば、年間2,602億円もの経済価値が生まれるとの試算もあります。月経随伴症状による社会的経済的負担は年間約1兆1,913億円とも言われ、これは決して無視できない問題です。

男女間の理解の差



調査では、男女間で生理に対する理解に大きなギャップがみられることも明らかになりました。生理に悩む女性の85%に対して、男性感覚ではその実態を理解する割合は67%程度とされています。また、女性の約7割は生理について話しやすいと感じる一方、男性の4割はこの話題を避けている傾向があり、理解が進んでいないことが伺えます。これからは、職場も含めた社会全体で生理に対する理解を深め、支援体制を強化していく必要があります。

この調査結果を通じて見えてきた生理に関する実態は、女性たちが日常生活をより心地よく送れるよう、社会全体での取り組みが重要であることを示唆しています。

会社情報

会社名
株式会社 明治
住所
東京都中央区京橋二丁目2番1号
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