グリーンカーボンと大阪ガスが推進する生物多様性評価プロジェクト
Green Carbon株式会社は、大阪ガス株式会社と共に水田の中干し期間延長による生物多様性への影響の可視化に取り組んでいます。このプロジェクトの目的は、温室効果ガスの一種であるメタンの排出量を削減するだけでなく、周辺環境へ及ぼす生物多様性の影響を調査することです。
水田の中干し期間延長とは
水田の中干しは、水稲の栽培中に田の水を抜いて乾燥させる作業で、過剰な分げつを防ぎ、収穫量の向上に寄与します。Green Carbonが承認された新たな方法論では、この中干し期間を7日間延長することにより、メタンの発生量を約3割削減できると確認されています。しかし、従来の水田環境とは異なるため、生態系への影響が懸念されていました。
協力による調査の実施
この課題に対処するため、Green Carbonは大阪ガスとの協力を開始し、2025年6月から本調査を実施する運びとなりました。この調査では、対象となる水田の中干し実施前後の水質データと生物多様性リストを収集し、環境DNAを用いた分析を行う予定です。具体的には、トンボやカエル等の微量遺伝子情報を収集し、生物多様性への影響を評価します。
調査の意義
調査結果に基づいて、環境管理の優先順位を明確にし、効果的な施策の実施に繋げることができます。また、生物多様性の価値が2026年に発行予定の中干し期間延長に基づくJ-クレジットに組み込まれることで、環境意識が高い消費者に向けた透明性ある取引の推進が期待されます。
今後の展望
本プロジェクトの成果を活用し、Green Carbonは生物多様性調査の方法論を広めるセミナー等を開催する予定です。また、高付加価値な水田J-クレジットの予約販売も行い、査定と調査範囲を拡大して、より効果的なクレジット創出を目指します。加えて農家の副収入向上につながる仕組みも構築される見込みです。
この取り組みを通じて、Green Carbonは自然由来のカーボンクレジットをより広範に発展させ、持続可能な農業とともに、環境保全に貢献することを達成しようとしています。
まとめ
Green Carbonと大阪ガスの連携による生物多様性の調査は、環境改善に向けた重要なステップであり、持続可能な未来を築くための企業の役割を再認識させる取り組みです。これからの環境施策における新たな常識が生まれることを期待しています。