伊勢市の伝統行事「お木曳」
伊勢市で行われる「お木曳行事」は、550年以上の歴史を持つ民俗行事であり、伊勢神宮の社殿建築に使用する檜を神宮へと運ぶ意味があります。これは旧神領民と呼ばれる地元の住民たちが中心となり、神聖な木材を曳き入れるという、地域の文化を象徴する重要な儀式です。市及び国の文化財にも指定され、多くの観光客や市民に親しまれています。
この行事は、毎年数回行われる神宮式年遷宮の中でも特に賑やかなイベントとして知られています。2023年の第63回神宮式年遷宮に向けて、特別な奉迎行事「御樋代木奉迎奉曳」が行われる予定です。これは、伊勢神宮の神体をお納めするために必要な「御樋代木」を運び入れるための行事であり、地域の人々の強い思いが込められています。
御樋代木奉曳の流れ
御樋代木の運搬過程は時代とともに変化してきました。江戸時代から300年、木曽から選ばれた檜は、現在、主に陸運と水運を利用して伊勢まで運ばれています。長野県や岐阜県から始まり、愛知県を経て伊勢市まで、大切に運ばれていく様子は見る者の心を打ちます。運搬に伴って各地では盛大な歓迎の行事も行われ、街の人々が造り上げた文化と伝統を実感できます。
2023年日程
「お木曳」行事は、6月8日から10日にかけて行われます。その詳細は以下の通りです:
1.
6月8日(日):陸曳のぼせ車
- 出発式:14:30(外宮北御門)
- 浦之橋商店街再出発:18:30(ぎゅーとらうらのはし店前)
- 到着:20:00(度会橋東詰広場)
2.
6月9日(月):内宮御樋代木奉迎奉曳
- 奉迎:12:50(宇治橋前広場)
- 出発:14:15(五十鈴川浦田橋付近)
- 到着:17:00(内宮五丈殿)
3.
6月10日(火):外宮御樋代木奉迎奉曳
- 奉迎:10:40(度会橋東詰広場)
- 出発式:13:00(度会橋東詰広場)
- 到着:15:30(外宮北御門)
この行事に際しては交通規制が実施され、周辺地域の住民や参与からの協力が必要です。また、奉曳コース付近では駐車禁止となりますので、観光客の方々はご注意ください。
最後に
伊勢市の「お木曳行事」は、地域の伝統文化を感じることができる貴重な機会です。心を込めた奉迎・奉曳を通じて、次世代へと受け継ぐ大切な儀式に参加することは、一人ひとりが地域の一員としての誇りを持つことにもつながります。ぜひ、多くの方に足を運んでいただきたいと思います。
問い合わせ先や詳細については、
伊勢御遷宮委員会事務局までお気軽にご連絡ください。