猛暑時代における保育園の熱中症対策とその現実調査
保育士という職業に従事する人々は、日々子どもたちの安全を守りながら大変な運営を行っています。この度、株式会社明日香が運営する『子ねくとラボ』が行った調査によれば、勤続5年以上の保育士100名のうち96.0%が、5年前と比較して「夏の暑さが厳しくなった」と回答しました。また、82.0%が熱中症対策の強化を実施したとしています。本稿では、その調査結果と保育園における熱中症対策の実態について詳しく見ていきましょう。
保育士による現状評価
調査において、「あなたは、5年前と比べて夏の暑さが厳しくなったと感じますか」という問いに対して、実に81.0%が「非常にそう思う」と回答し、15%が「ややそう思う」と続く結果となりました。この結果は、近年の異常気象や地球温暖化の影響を如実に示しています。
熱中症対策の取り組み
熱中症対策として、具体的にどのような取り組みがなされているのでしょうか。調査結果によると、84.0%の保育士が「熱中症対策を強化した」と回答しており、主な対策内容としては以下のようなものが挙げられます。
- - 定期的な水分補給を実施(81.0%)
- - 外遊び時間の調整(78.0%)
- - 室温・湿度の管理(72.0%)
これらの対策は、子どもたちの健康を守るために非常に重要です。特に水分補給は、暑さによる脱水症状を防ぐための基本中の基本といえるでしょう。
直面する課題
ただし、調査結果からは、保育士たちが熱中症対策を行う上での課題も浮かび上がっています。保育士の62.9%が、「外遊びとのバランスが取りにくい」と感じており、これは特に大きな悩みといえるでしょう。子どもたちの成長過程において、外での遊びは非常に重要である一方で、暑さとの戦いがそこには常につきまといます。
さらに、39.2%は「適切な判断基準が分からない」と回答し、特にそれぞれの子どもの体調に応じた対応が難しいとの声も多くありました。
個々の工夫と取り組み
保育士たちは、こうした課題に対して個々の工夫も凝らしています。最も多くの保育士(49.0%)が実施しているのは「室内遊びのバリエーションを増やす」ことであり、36.0%は「職員間での情報共有を工夫している」と回答しました。また、「体調チェックの方法を工夫」するという形で、子どもたちの健康状態を常に見守る体制を整えています。
専門的なサポートのニーズ
調査の結果、83.0%の保育士が、熱中症対策に関する専門的な指導やサポートを求める姿勢を示しました。30.0%は「ぜひ活用したい」、53.0%は「機会があれば活用したい」と答えており、このことから保育士が専門的な知識を得たいと考えていることが伺えます。
まとめ
今回の調査からは、保育現場での熱中症対策の着実な強化が進む一方で、様々な課題が浮かび上がりました。地球温暖化が進行する中で、保育士たちは子どもたちの健康を守りつつ、遊びの機会を確保するという二重の難題に直面しています。これらの課題に対して、専門的な知識の導入や支援の強化が必要不可欠です。今後、保育施設と専門機関の連携による包括的な対策支援が、子どもたちの安全と保育士の負担軽減に大いに寄与することが期待されます。