近年増加する医学部再受験生の背景と成功の秘訣

医学部再受験生の増加傾向

近年、医学部を再受験する社会人の数が増加しており、医学部受験予備校「医進の会」の分析によると、なんと受験生の約6人に1人が再受験生だというデータがあります。文部科学省の公表では、22歳以上の医学部受験者は年々増えており、これは少子化の影響を受けながらも医学部への志願者が増える一因となっています。特に社会人の再受験は、コロナ禍以前より上昇傾向にあり、多くの人々が新たなキャリアを目指して医学部を選ぶようになっています。

社会人受験者の動向

これまで多くの社会人が一旦他学部に進学した後、別の道として医学部を選ぶ流れが見られます。2018年、東京医科大学における不正入試問題の発覚をきっかけに、年齢や性別による差別禁止の規範が厳格化され、再受験生への受け入れが推奨される環境が整いました。このような変化により、かつては不利とされた女性や高齢の受験生でも、合格するケースが増加しています。

「医進の会」においても、再受験生や多浪生、女性の医学部合格が増えてきています。入試環境の正常化は志願者層の多様化に直結しており、今後もこの傾向は続くでしょう。

年齢層と入学データ

文部科学省のデータから、2020年度に登校した30代以上の国公立大学医学部の入学者は48名にのぼり、全体の約0.9%を占めています。さらに、島根大学や岐阜大学では40代以上の合格者も確認されており、年齢層の広がりが感じられます。

特に「医進の会」では、20代や30代の社会人が苦労の末に合格するストーリーが増えており、過去には40代の受講生が同年度に複数名合格したという事例もあります。これらの受験生は、看護師や薬剤師など医療関係者のほか、文系からの飛び込みや社会人経験を経て受験する方々など、多様なバックグラウンドを持っています。

高い合格率と戦略の重要性

再受験生の全体的な医学部合格率は約20%と推計されますが、年齢制限により「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」を使えないことが多く、一般的な「一般選抜」一本での合格を目指すため、その難易度は依然として高いと言えるでしょう。

とはいえ、年齢による不利が撤廃された影響で、30代以上の合格者も増加しています。この高いハードルを突破するためには、限られた時間内での効率的な学習が求められます。「医進の会」では、再受験生特有の「学習時間の確保」と「ブランクの克服」に対して、徹底した学習管理と志望校対策を行い、彼らの合格へと導いています。

医進の会の役割

「医進の会」の代表・谷本秀樹氏は、医学部受験の厳しさを語りつつも、入試結果や入学者層に注目することで、再受験生に寛容な大学が増加していることを示しています。受験戦略や面接対策においても、過去の成功事例を研究することが重要であると言及しています。特に、社会人再受験生にとって最大の課題は「学習時間の確保」であり、仕事との両立が求められる中で計画的な学習体制の構築が合否の分かれ目となります。

今後も最新データの収集・分析を進め、再受験生への実践的なノウハウを提供していく計画です。年齢や性別に関わらず、再受験への挑戦を後押しする環境が整いつつある中、これからの受験生たちにとって新たなチャンスが広がっていることを期待しています。