消費動向概観:2025年1月の消費意欲指数
株式会社博報堂のシンクタンク、博報堂生活総合研究所は、2025年1月の消費意欲調査を行いました。この調査は毎月、20歳から69歳までの男女1,500名を対象に実施され、消費の先行きに関するデータを「来月の消費予報」として報告しています。本記事では、2025年1月の消費意欲指数やその背景について詳しく見ていきます。
消費意欲指数の現状
2025年1月の消費意欲指数は49.9点で、前月比で-4.6ポイントという大幅な低下を記録しました。一方で、前年比では+0.6ポイントで横ばいを維持しています。例年、年末やクリスマスを経た1月は消費意欲が低下しがちなため、これは予測可能な動きとも言えるでしょう。
1月のポイント
- - 消費意欲の減少: 1月の消費意欲は例年の傾向通り減少。しかし、20代で特に上昇が見られ、+6.2ポイントの変化が確認されました。
- - ポジティブな回答の減少: 消費に対するポジティブな回答は12月603件から1月438件へと大きく減少。一方で、ネガティブな回答は674件から819件に増加しました。特に「欲しいものがない」という意見が目立ちます。
年代別の傾向
特に注目すべきは20代の動きです。彼らは金銭的余裕があると感じやすい時期に入ったようですが、欲しいものが明確でないという声も多く聞かれています。つまり、経済効果の兆しが見える部分もあれば、消費に対する意欲が同時に存在しないという二面性があります。
また、物価高や円安に関する懸念は依然として残っているため、消費者心理は影響を受けています。クリスマスシーズンに多くの支出をした反動から、経済的なセーブ傾向が強まっているのも影響しているでしょう。
カテゴリ別の消費意向
消費意向をカテゴリーごとに見てみると、特に食品やファッション関連の商品に対する関心が減少しています。総じて、食品、外食、ファッション、理美容、飲料などのカテゴリーは、前月比で20件以上の減少を示しています。しかし、前年比では旅行や日用品、レジャー、飲料、食品など7カテゴリーにおいて20件以上の増加が見られ、大きな変化が潜んでいることがわかります。
結論と今後の展望
このように、博報堂生活総合研究所の1月の消費意欲指数は、全体としては前年から前月にかけて減少が見られつつも、特に20代の若者においては期待を持てる数値の上昇が確認されました。新年を迎えたことで消費への期待は高まりますが、年末年始の影響もあるため、今後の動向を注意深く見守る必要があります。特に、旅行などのカテゴリーでは前年よりも高い需要が見込まれているため、消費意欲がどのように変わっていくか、引き続き注目が集まります。
詳しい調査結果は博報堂ニュースリリースページにて確認できます。