歌舞伎の世界へようこそ—中嶋先生の特別授業
2025年7月8日、福井県あわら市の金津中学校で、現役の舞台俳優である中嶋先生による特別授業が行われました。この授業は、地元中学1年生122名を対象に、「歌舞伎朗読ワークショップ」として実施され、生徒たちは日本の古典芸能である歌舞伎の演目『外郎売(ういろううり)』を通じてその魅力を直接体感しました。
舞台役者から学ぶ表現の迫力
講師の中嶋先生は、東京を拠点に活躍する現役の舞台役者であり、自身もあわら市の出身です。中学時代には吹奏楽部でトロンボーンを担当した経験があり、そのときの仲間との協力が現在の職業に大きく影響を与えたと振り返ります。この授業では、江戸時代の薬売りの口上として知られる『外郎売』を題材に、表現の技法や緩急について実演を交えながら分かりやすく解説しました。最初は緊張していた生徒たちも、先生のお手本を見ながら徐々に自信を持ってセリフを口にするようになりました。
表現の面白さと向き合う
授業の中で、中嶋先生は「役者に興味がある人?」と尋ねると、多くの生徒が手を挙げました。中嶋先生は「毎日練習を重ねてもすぐには変化が見えないが、振り返ってみると成長を実感できることがある」と語り、その経験談は生徒たちにとって大きな励みとなりました。また、「他人と比較するのではなく、自分の成長を大切にすること」が重要であると強調し、日本の文化に触れることの喜びを伝えました。これらのメッセージは、将来の進路に悩む生徒たちへの励ましとなりました。
校長先生の温かい言葉
授業に同席した校長先生は、「本物に触れる体験を通じて、生徒たちには感性を大切にしてほしい」と述べました。自身も理系出身であるものの、感性に導かれて進路を選んだというエピソードを交えながら、生徒たちに向けて「やりたいことに出会えると信じて前に進んでほしい」とエールを送りました。
朗読劇が待望の開催予定
今回の特別授業に関連して、2025年8月にはあわら市で「松本清張 朗読劇」も開催される予定です。このイベントは、北九州市立松本清張記念館の友の会が主催し、20年以上続く人気シリーズです。毎年1作品ずつ上演されており、今年は終戦80年を記念した特別企画として5作品が全国で上演されます。そのうち2作品は、桃太郎が選んだ『青春の彷徨』と『砂の器』です。中嶋先生をはじめ3人の俳優が登場し、社会派サスペンスを通じて、言葉の力と表現の奥深さを体感できます。
- 2025年8月23日(土) あわら市中央公民館 18:00開演
- 2025年8月24日(日) ハピリンホール 14:00開演
さらに、社会福祉協議会を通じて視覚障害者の招待も行われているこの朗読劇は、戦後80年の特別な夏にぜひ見逃せない内容です。興味のある方は、ぜひこの機会に足を運んでみてください。
あわら市の魅力
福井県あわら市は全国幸福度ランキングで6回連続1位を獲得したことでも知られており、北陸有数の温泉地であるあわら温泉の他、歴史的な文化を身近に感じることができるスポットもたくさんあります。長い歴史を持つ宿場町金津地区や、豊かな自然環境が整った地域など、訪れる人々にとっても心安らぐ場所となるでしょう。公式の感幸プロモーション動画やSNSも活用して、あわら市の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。