LGTの2025年上半期の業績報告
リヒテンシュタイン公爵家が所有する国際的なプライベートバンキングおよびアセットマネジメントグループ、LGTが2025年の上半期に期待を超える業績を達成しました。厳格なコスト管理が功を奏し、収益は前年同期比で10%増の14億2,000万スイスフランに達しました。
この期間、LGTのグループ利益は前年同期比38%増の2億4,060万スイスフランとなり、経済的不確実性が続く中でも大きな成果を上げることに成功しました。純資産流入は59億スイスフランに達し、運用資産残高は3,596億スイスフランとなっています。これはLGTの戦略的な国際展開とデジタル化への投資が功を奏した表れです。
厳格なコスト管理の効果
2025年上半期において、LGTは厳格なコスト管理を行い、事業費と事務所費を1%減の2億2,280万スイスフランに抑えました。人件費は11%増加し、8億4,840万スイスフランとなりましたが、業績が好調であったため、これは過去の投資を反映したものでした。従業員数も増加し、2025年6月30日時点で6,106名となりました。この中には、オーストラリア・コモンウェルス銀行のプライベートアドバイス事業買収による38名の新たな従業員が含まれています。
また、2025年6月末時点の費用収益比率は75.7%と、2024年末の78%から改善されています。この数値はLGTが効率的に収益とコストを管理していることを示しています。
市場環境と収益構成
2025年上半期は地政学的な不安定要素や市場のボラティリティが影響していますが、その中でもLGTは総営業収益を確保しました。顧客の活動が活発化したことによりサービス収益は10%増加しましたが、純金利収益は17%減少しました。トレーディング収益およびその他の営業収益は35%増となり、特に外国為替取引の増加が背景にあるとされています。
今後の展望
2025年後半においては依然として地政学的・経済的不確実性が色濃く残ると予想されますが、LGTは国際成長とデジタルサポートの強化を通じて将来に向けて有望な立ち位置を築いています。特にオーストラリアやドイツ、日本などの新市場への取り組みが徐々に実を結びつつあります。
LGTは今後も多年度計画に基づいてデジタル化や人工知能への戦略的な投資を続け、顧客向けの新サービスや製品の提供を強化し、さらなる業績向上を目指します。
賞と評価
LGTは『Euromoney』誌の「Global Private Banking Awards 2025」で「Best Pure Play/Boutique Private Bank worldwide」を受賞するなど、上半期にいくつかの権威ある賞を獲得しました。これによりLGTの業務に対する高い評価が証明されました。
LGTの会長マックス・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン氏は、「困難な状況にもかかわらず収益とコストの両方において好調であり、国際的な成長戦略が着実に進展している」と語っています。LGTはファミリー経営ならではの信頼性と品質の提供を通じて、今後も顧客に信頼されるパートナーであり続けることを目指しています。