KRPとMINDが共同開催した特別イベント
2023年10月11日、京都リサーチパーク株式会社(KRP)とイタリアのMilano Innovation District(MIND)は、大阪・関西万博のイタリア館で「How innovative ecosystem move forward」というテーマの特別イベントを開催しました。このイベントは、KRPとMINDが2021年9月に締結した連携協定に基づくもので、両者のイノベーションエコシステムの強化を目指しています。
イベントの目的
本イベントは、京都企業の欧州進出支援やイタリアからの企業誘致を促すことを目的としており、国際連携の重要性が改めて認識されている中で行われました。参加者は、KRPの入居企業やMINDの関係者、さらには多地域のイノベーターたちで構成されています。特に、KRPから参加した4社がそれぞれの専門分野において新たなビジョンを発表しました。
プログラムの内容
イベントでは、MINDおよびPrincipiaの目的と役割についての説明が行われた後、Federated Innovation@MIND(FEI)の参加企業によるプレゼンテーションが行われました。FEIの企業は医療技術や都市の持続可能性に関する先駆的なプロジェクトに取り組んでおり、「健康の未来」と「未来の都市」という2つのテーマに分けてその革新的な取り組みが紹介されました。
展開されたプロジェクトは、医学研究から医療技術、生活の質を向上させる様々なソリューションまで多岐にわたり、参加した企業の発表を通じて新たな協力の可能性が見えてきました。また、リラックスした雰囲気の中で意見交換が行われ、今後の連携を促進する機会となりました。
KRP入居企業の発表
イベントには、以下の4社が登壇し、それぞれのビジョンを発表しました。
- - クアドリティクス株式会社は、心拍変動解析技術を用いたてんかん発作予知アルゴリズムに基づくアプリの開発を紹介し、医療領域でのイノベーションを促進しました。
- - スズキ株式会社は、自動走行モビリティの開発における、マルチモビリティ・プラットフォームの活用についてプレゼンテーションを行い、未来の交通手段に重要な影響を与える可能性を示しました。
- - SPACECOOL株式会社は、ゼロエネルギーで外気より低温にする新素材の開発について説明し、持続可能な社会の実現に寄与する可能性を討論しました。
- - 株式会社ピューズは、電動モビリティの受託研究開発や関連製品の製造に関する事業を発表し、環境に配慮した移動手段の普及に向けた取り組みを強調しました。
MINDとは
Milano Innovation District(MIND)は、2015年のミラノ万博跡地を利用して作られた100ヘクタールのサイエンスパークで、2030年を目指して開発されています。MINDは大学や医療研究機関が集まるエリアとして期待されており、様々な企業と連携することでイノベーションの創出を促進することを目指しています。
KRPの役割
京都リサーチパーク(KRP)は、1989年に設立された日本初の民間運営のサイエンスパークであり、現在は510の組織と6000人以上の人々が集まっています。KRPは新産業の創出や起業家育成に力を入れ、特に国際的なネットワークを活かしてグローバルなビジネス展開を支援しています。「ここで、創発。~Paving for New Tomorrow~」というブランドスローガンのもと、世界を変える新たなビジネスの発展に大きく寄与しています。
このように、KRPとMINDの連携は、相互のイノベーションエコシステムを活用し、地域経済の発展と国際的な競争力の向上を図る重要なステップとなりました。参加者たちは、このような新たな取り組みが実を結ぶことを心から期待しています。