地域と若者の関係性を深める「Change Maker Study Program」
陸前高田市で行われている「Change Maker Study Program(CMSP)」は、若者と地域住民との新たな関係構築を目指した取り組みです。このプログラムは、2026年2月から3月にかけて全国から集まった22名の若者と15名のスタッフが参加し、陸前高田市内の気仙町・横田町・広田町で実施されました。1週間の滞在を通じて、参加者たちは地域の日常生活に深く関わり、地域住民と対話を重ねることで、温かい交流を生み出しました。
プログラムの概要
プログラムは、観光や調査目的ではなく、地域社会との真のつながりを育むことを目的としています。初日から3日目までの期間は、地域住民との対話を優先し、「何かをしてあげる」のではなく「お互いに助け合いたい」という思いを基に、関係を築くことが出発点です。
4日目と5日目には、関係性の中で得られた気づきを基に具体的なアクションを計画し、最終2日間ではそのアクションを実行に移します。例えば、横田町のチームは「町の魅力に住民自身が気づいていないのでは?」という問いを持ち、青い色紙と町の魅力を紹介するカルタを制作しました。これは、大学生の参加が地域の会話のきっかけになることを願ってのことであり、地域の人々が自らの価値を再確認する手助けとなりました。
さらに、気仙町のチームは、「日常に小さな非日常を届けたい」との思いから、地元で採れたりんごやくるみを使った煮込み料理を地域住民と共に囲みながら、手作りのラジオや新聞を一緒に楽しむ時間を設けました。このような交流を通じて、参加者たちは地域の人々と心のこもった関係を築き上げていったのです。
プログラムの後に残ったもの
プログラム終了後、ある地域住民は「孫が増えた」と語り、参加者の存在が地域の日常に新しい風をもたらしたことを示しました。また、「また何回でも来ていいよ」といった温かい言葉や、住民同士の会話が活発に交わされるようになるなど、かつて「訪れる場所」であった地域が「誰かに会いに行く場所」へと変わってきている兆しが見えるようになりました。
SETがこのプログラムで重視しているのは、成果を達成することではなく、関係性が持続していくことです。これまでに1,500名以上がこのプログラムに参加し、その先にあるのは、単なる人数ではなく、名もある人々とのつながりです。このように、プログラムは地域と若者の関係を深め、持続可能な地域の未来を共に育んでいくことに貢献しています。
認定NPO法人SET概要
SETは2011年の東日本大震災後、岩手県を中心とした地域で若者と住民が共に学び合うプログラムを通じて地域社会を支援しています。「一人ひとりの“やりたい”を“できた”に変え、日本の未来にGoodなChangeを起こす」というミッションのもと、修学旅行の民泊や地域コミュニティの形成に努めています。2024年度には年間5,000人以上が参加し、地域の活性化に寄与しています。特に、地域と若者の信頼関係を構築することを目指すこのプログラムは、持続的な地域づくりの基盤を築いています。