金沢大学附属病院の治験業務のデジタル化
石川県金沢市に位置する金沢大学附属病院が、治験業務の効率化と情報の透明性を促進する目的で、Buzzreachが提供する臨床研究管理ツール「StudyWorks」を新たに導入しました。この取り組みは、医療機関における治験の質や効率性を大幅に高めることが期待されています。
導入の狙いと背景
治験業務は近年、複雑になる一方で効率性が求められる環境にあります。金沢大学附属病院では、先端医療開発センター臨床研究推進部門の長瀬克彦部門長と、田中祐子主任CRCにインタビューを行い、導入の狙いや期待についてお話を伺いました。
長瀬先生は「治験業務をより効率的に運営しつつ、質を維持・向上させることが重要です。StudyWorksを導入することで、業務を一元管理できる点が大きな魅力です」と語ります。これにより、患者スケジュールの自動生成や業務進捗の可視化が実現し、日常業務における負担を軽減できるとのことです。
一方の田中CRCは、「治験の進捗状況や費用の集計が容易になり、請求業務の確認もスムーズになります。治験に関わるすべてのステークホルダーがリアルタイムで情報を共有できるのも大きな利点です」と、具体的な活用方法について説明しています。
StudyWorksの特徴
「StudyWorks」は、治験に関連する業務を総合的に管理するプラットフォームであり、特に以下の機能が強みです。
- - 一元管理機能: 治験に関するすべての業務を一つのプラットフォームで管理し、タスクの進捗状況を透明化します。
- - 費用集計機能: 各種費用の集計が自動化されており、請求業務の効率化が図れます。
- - DCT対応: パートナーサイトとの連携を可能にし、日本における治験の負担を軽減します。
- - 円滑なコミュニケーション: CRCや医師、製薬企業同士のリアルタイムな情報共有を実現し、業務の効率化を促進します。
これらの機能により、「StudyWorks」は医療機関にとって必要不可欠なツールとなるでしょう。
今後の展望
Buzzreachは全国の治験実施医療機関への「StudyWorks」の展開を進めており、新薬開発の加速や治験業務の効率化を実現するために力を入れています。治験エコシステムの整備や東日本の新薬承認の早期化に向けた取り組みも進行中です。
長瀬先生は「今後もユーザーのフィードバックを元に機能改善を行い、医療現場における実効的な価値を提供していきたい」と語っています。金沢大学附属病院も含む30以上の医療機関での導入が進む中、150施設への展開を目指しています。これは業界のデジタル化には欠かせない一歩であり、治験の進行をよりスムーズにすることで、患者にとっても利便性の高い医療環境を周知させることに繋がるでしょう。
この新たな取り組みが、医療機関内の業務効率化だけでなく、患者の治療機会の拡大に寄与することが期待されます。
まとめ
金沢大学附属病院の「StudyWorks」導入は、治験業務の効率化だけでなく、業界全体にも大きな影響を与える可能性があります。治験の進行状況の可視化や、関連ステークホルダー間の円滑なコミュニケーションが実現することで、患者の医療選択肢が広がることでしょう。今後の活動に目が離せません。