ベルエナジーの新技術が切り開くエコな電源車の未来
茨城県つくば市に本社を構えるベルエナジー株式会社は、電気自動車(EV)を利用した革新的なカスタマイズ技術に関して特許を取得したことを発表しました。この特許により、EVが「動く大容量電源車」として利用されることが現実のものとなります。
特許技術の詳細
取得した特許第7751328号(発明名:移動式電源車)は、従来のEV充電の制約を超え、高出力の外部給電を実現するものです。この技術は、既存の電気自動車に搭載されているバッテリーと電動アクスル内のインバーターに直接アクセスし、通信規格に依存せずに機能します。
従来のV2L(Vehicle to Load)給電方式では出力が約10kWに限られていましたが、ベルエナジーの技術を用いることで、35kW~50kWの高出力給電が可能となります。さらに、カスタマイズ後の電源車両は普通自動車免許で運転できるサイズを維持しており、軽量で静粛性が高く、排気ガスを出さないゼロエミッションの条件を満たしています。このため、建設現場や災害対応、イベント運営など、さまざまな場面での需要が見込まれています。
開発の背景
近年、持続可能な社会の実現に向けて、電動化の流れが加速しています。特に災害対応や脱炭素化の進展に伴い、静かで排出ガスのない電源ソリューションの需要が高まっています。これまでの外部給電車両は多くがディーゼルエンジンを動力源としていましたが、ベルエナジーはこれに代わる持続可能な選択肢として、EVのバッテリー応用技術を駆使し、「MESTA」シリーズや、移動式充電サービス「電気の宅配便」を通じて実績を積んできました。
今回の特許取得は、その延長線上にある成果であり、電気自動車の新たな活用シーンを広げるものです。ベルエナジーは、EVを次世代の電力インフラとして再定義し、社会に貢献できるよう努めています。
特許情報
- - 特許番号: 特許第7751328号
- - 発明の名称: 移動式電源車
- - 出願番号: 特願2024-233271
- - 出願日: 令和6年12月31日
- - 登録日: 令和7年9月30日
今後の展望
今後、ベルエナジーは自動車メーカーや地方自治体、インフラ事業者との連携を強化し、本特許技術を駆使した新たな製品開発と事業展開に取り組んでいく方針です。この技術は、EVのリユースやリパーパスの可能性を広げ、より多くの使用シーンで高出力の電源車が普及することを期待します。持続可能であり、環境に優しい電源ソリューションとしての移動式電源車の未来に、大きな期待が寄せられています。