三井不動産が進めるDX化、催事管理を新システムで効率化

三井不動産の新しい取り組み

三井不動産株式会社が、商業施設向けのDXシステム「ショップカウンターエンタープライズ」を導入しました。このシステムは、催事管理に特化した機能を持ち、グループ間の業務効率化を図ります。これにより、グループ会社である三井不動産商業マネジメント株式会社とららぽーとエージェンシー株式会社などが一体となって、催事スペースの利用を最大化することが期待されています。

催事管理の現状と課題

三井不動産は、オフィスビルから商業施設まで、多岐にわたる資産の開発と管理を手掛けています。しかし、催事スペースの運用においては、いくつかの運用課題が存在しました。特に、施設間のリアルタイムでの空き状況の把握が難しく、機会損失が生じていました。また、仮予約や締切日の管理がExcelに依存していたため、管理漏れのリスクも避けられませんでした。さらに、紙ベースの書類処理が煩雑で、時間を要するプロセスが多く見られました。

新システム導入の背景

これらの課題を解消するために、三井不動産は「ショップカウンターエンタープライズ」を導入しました。このシステムの導入により、まずは「スケジュール管理機能」と「バックオフィス（契約・請求）管理機能」の強化から開始します。この施策により、出店スケジュールの可視化が促進され、リアルタイムでの状況把握が可能になります。また、アラート機能により営業機会が最大化されることが期待されます。

申込手続きが電子化され、請求書も自動発行されるため、これまで紙と人の手に依存していた業務の効率化が期待されています。これにより、スタッフはより重要なテナントサポートに力を入れることができるようになります。

初年度目標と今後の展開

今後は、「三井ショッピングパークアーバンドックららぽーと豊洲」を皮切りに、全ての「三井ショッピングパーク」施設への導入を目指します。これにより、グループ全体での催事スペースの運用が一元化され、さらなる効率化が図られることになるでしょう。

三井不動産の戦略

三井不動産の商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部の市橋哲之部長は、同社の長期経営方針として「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」を掲げ、リアルな体験の価値を提供することを強化していく意向を示しています。今後、各種IPとの連動を強化し、催事イベントの頻度や充実度を高めることが計画されています。