日本ヒューム株式会社は、戸田建設株式会社と共同で、新しいタイプのセグメント間継手「ハイタッチアンカー継手」を開発しました。この画期的な継手は、特に下水道の分野で適用される中小径RCセグメントの製造に注力することを目指しています。もともとシールドトンネル工事において、RCセグメントは重要な役割を担っており、これまでの継手とは異なるアプローチによって、より効率的な施工が可能に。「ハイタッチアンカー継手」は、ボルトを使用せずに、一方向に挿入することで簡便に接続ができるよう設計されています。これにより、コストの削減と、設計の簡易化が期待されます。
この新しい継手にはいくつかの特筆すべき特徴があります。まず、継手の定着部は、シンプルかつコンパクトな設計で、薄肉のセグメント内にも容易に配置できる点です。特に、コンクリート内での埋め込みが求められるため、平板の先端にくさび形状のアンカーを形成したデザインは、施工性を向上させています。
さらに、継手は趣旨に応じた鋳造による一体成型で製造されているため、溶接工程が不要。これにより、製造コストを大幅に抑えることが可能になります。従来、接続部における噛合いが不十分な場合、耐久性の低下を招く恐れがありましたが、新開発の継手は噛合い部もくさび形状にして、引張力が加わった際の開き変形を防ぎ、耐久性を高めています。
また、実際に行われたセグメント継手における曲げ試験からも、その効果が確認されており、将来的にはこの「ハイタッチアンカー継手」を特にρ1800~4000クラスの中小径RCセグメントに積極的に導入していく方針です。
「ハイタッチアンカー継手」の商標登録は現在進行中であり、今後の市場展開が大いに期待されます。この新しい技術革新が、シールドトンネル工事の現場でどのように活用され、さらなる効率化とコスト削減につながるのか注目が集まります。
本件に関する詳細な情報や技術的な問い合わせについては、日本ヒュームの技術本部の浦澤康治までご連絡ください。連絡先は、電話番号03-3433-4114またはメール
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