薬剤師の転職希望者が増加中、選考基準や求める条件とは
株式会社リクルートメディカルキャリアとメドピア株式会社が実施した調査により、薬剤師の転職活動についての実態が明らかになりました。この調査は、薬剤師向けアプリ「ヤクチエ」に登録する655人を対象に行われ、転職希望者の実態が詳しく分析されています。
調査結果の概要
調査の結果、1年以内に転職活動を行った薬剤師は全体の29.9%に上りました。また、「転職したい」という意向を持つ薬剤師は57.9%に達し、特に20代では66.7%が転職意向を示す結果となりました。これからの職場選びにおいて、業務負荷や待遇が大きな影響を与えていることが浮き彫りになっています。
転職を考える理由
調査によれば、転職を考え始めた主な理由は「業務負荷が高い」(39.4%)や「給与への不満」(38.6%)です。多くの薬剤師が現在の職場に対して勤労条件に不安を抱いていることがうかがえます。特に、職場環境に関する労働条件と人間関係が、職場選びにおいて重要なポイントとなっています。
職場選びの条件
薬剤師が職場を選ぶ際に最も重視する条件は、「給与条件」(69.9%)であり、次いで「休日・休暇」(45.4%)が挙げられました。この結果から、薬剤師たちが経済的な安定や、私生活との両立を求めていることが明白です。更には、勤務時間や通勤距離も重要視されており、自身のライフスタイルにフィットした職場を望む声が多く見られます。
転職活動中の不安
転職活動中に最も不安を感じる点として多かったのは、「希望の勤務条件で働ける仕事が見つかるかどうか」(56.8%)でした。さらに年収が下がるのではと心配する声も多く、年齢による不利も懸念されているようです。薬剤師の職場での人間関係もまた、転職活動中に悩ましいポイントとして浮き彫りになっています。
求職者が求める情報
転職時の情報収集において、薬剤師が採用者側に求める情報は大きく二つに分かれます。一つは「働き方に関する詳しい情報」(73.0%)、もう一つは「募集している職場の具体的な仕事内容」(60.7%)です。勤務条件や仕事内容について具体的に示されることで、求職者側の不安を軽減させる効果があると考えられます。
転職したいができない理由
転職意向を持ちながらも実際に転職をしていない理由としては、「転職しても自分の希望条件は満たされそうにない」(29.0%)が最も高い結果に。多くの薬剤師が自身の希望に合う職場を見つけることが困難であると感じているようです。同時に、転職活動の手続きや書類作成の負担も一因であると考えられます。
まとめ
薬剤師の転職活動に関するこの調査結果は、業務負荷や給与、職場環境が主な転職希望の理由であることを示しています。薬剤師自身が理想的な勤務条件を求める一方、実際の転職活動においては多くの不安要素やハードルがあることが浮き彫りになりました。今後、薬剤師がどのようにして自身のキャリアを選択していくのか、その動向は注目されます。