マウスウォッシュの落とし穴
2025-12-16 11:38:50
インフルエンザ予防にマウスウォッシュ、過剰使用は危険?
インフルエンザ予防にマウスウォッシュは効果的なのか?
インフルエンザが流行する季節になると、手洗いやうがいと同じく、口腔ケアの重要性が再認識されます。特に、SNSやメディアを通じて「口や喉のケアが感染予防につながる」という情報を目にする機会が増え、マウスウォッシュを使う人が大幅に増加しています。しかし、この便利なアイテムを使う際には注意が必要です。
マウスウォッシュの過剰使用が引き起こす問題
最近の研究によれば、マウスウォッシュを多用することで、口腔内の常在菌バランスが崩れてしまうことがあります。殺菌作用の強い製品を頻繁に使用すると、本来いるべき善玉菌までが減少してしまうのです。これにより、舌表面の自浄作用が低下し、黒毛舌と呼ばれる状況を引き起こす可能性があります。
当院に訪れた患者の一例では、インフルエンザ予防のためにマウスウォッシュを一日に何度も使用した結果、舌が黒く変色してしまい、不安を抱えて診察に訪れました。診断の結果、過剰なマウスウォッシュの使用が原因となっている「黒毛舌」が確認されました。
黒毛舌とは?
黒毛舌とは、舌の表面にある糸状乳頭が異常に伸び、そこに細菌や色素が付着して黒く見える状態のことを指します。この状態は、生活習慣や口腔ケアの方法が大きく影響するため、注意が必要です。
インフルエンザ対策として口腔ケアを行うことは重要ですが、善玉菌をも殺してしまうという視点も持たなければなりません。マウスウォッシュを用いる際は、商品の使用方法や推奨摂取量をしっかり守ることが望まれます。
マウスウォッシュの使用が疑わしい場合の対処法
もし黒毛舌の疑いがある場合は、マウスウォッシュの使用頻度を見直し、舌を傷めないよう配慮しながら清掃を行うことが推奨されます。また最近では、口腔内の菌バランスを整える旨の研究が進められており、トローチタイプのプロバイオティクスが注目されています。これらは舌や粘膜に直接作用しやすく、口腔内環境の改善に寄与する可能性があると考えられています。
ただし、これらの製品はあくまでセルフケアの補助であるため、症状が続く場合や不安がある際は、必ず歯科医師に相談することが重要です。
まとめ
インフルエンザ予防の意識が高まる時期には、「良かれと思って行っていること」が逆に問題を引き起こすこともあります。口腔ケアでは、清潔さだけでなく菌バランスを保つ視点を持つことが、長期的な口腔健康を維持する鍵となります。
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神谷町デンタルクリニック
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