チノーが革新を遂げた高精度放射温度計IR-CZV
株式会社チノー(東京都板橋区)は、2025年7月30日(水)に新型放射温度計IR-CZVを発表します。IR-CZVは、測定値の±0.3%±2℃という驚くべき高精度を誇り、特に高温熱処理プロセスでの需要に応じた製品となっています。近年、熱処理における精度要求が高まる中で、チノーはそのニーズに応える形で、最新の技術を駆使した放射温度計を開発しました。
IR-CZVの特長
IR-CZVの最大の特長は、その圧倒的な精度です。従来製品であるIR-CZHと比較しても、IR-CZVは顕著な精度向上を達成しています。放射温度計の性能向上には、放射温度計自体の能力だけでなく、校正を行うための標準器や黒体炉の性能、校正作業における不確かさの評価が不可欠です。そのため、IR-CZVは測定データの変化に対する不確かさを徹底的に追求した、高性能モデルと言えます。
高精度がもたらす品質向上
高温下での測定において、IR-CZVは安定した測定値を提供し、品質向上に貢献します。特に半導体や材料関連の分野で使用されることが想定され、結晶成長装置や真空焼成装置での精密な温度管理が可能になります。また、IR-CZVはSi/InGaAsの検出素子を使用しているため、ガラス越しの測定も行えます。この点で、煙や視野欠けなどの外的要因による影響を最小限に抑えることができるため、実用面でも非常に優れた性能を発揮します。
仕様とその他の特長
IR-CZVの温度測定範囲は900~2500℃に設定されており、測定波長についても単色及び2色での測定モードを選べるようになっています。これにより、使用者は測定条件に応じて最適な方法を選択することが可能です。
- 温度測定範囲: 900~2500℃
- 精度定格: ±0.3%±2℃
- 応答時間: 2~15ms
- 分解能: 1℃
- 光学系: 可動焦点
- アナログ出力: 4~20mA
- 通信インターフェイス: RS-485
- 電源: 24V DC
価格と販売目標
IR-CZVの価格は、税込で1,430,000円に設定されています。2026年度末までに140台の販売を目標としています。これにより、業界内での信頼性をさらに高め、顧客の様々なニーズに応えていく考えです。
チノーについて
株式会社チノーは1936年に設立され、計測・制御・監視の分野で長い歴史を持つ企業です。「温度ループ」として製品をシステム化することで、様々な温度計測のニーズに応え続けています。温度の正確な計測は、品質や性能の向上に繋がる重要な要素であることを理解し、業界の発展に貢献しています。
公式サイト:https://www.chino.co.jp/