DMMグループの効率化ツール導入について
DMMグループは、さまざまなサービスを展開する企業で、特に「DMM.com」では動画配信やオンラインゲーム、電子書籍、英会話など多岐にわたるサービスを提供しています。総スタッフ数は約80名で、月間2万件を超える問い合わせに対応しています。その業務には、顧客からの問合せに迅速かつ正確に応えるための効率的なシステムが不可欠です。
導入の背景と課題の解決
以前のサポート体制では、多くのサービスに関するマニュアルが別々に管理されており、オペレーターは複数の画面を開いて情報を確認する必要がありました。これにより、時間がかかり、時にはミスが生じることもあったため、従業員の負担は大きな課題でした。これを受けて、DMMグループは「KARAKURI assist」を導入することに決めました。これは、Chrome拡張機能を利用したテンプレート一元管理ツールで、オペレーターの業務負担を軽減しようという試みです。
KARAKURI assistの活用方法
このツールを活用することで、会員登録や支払いに関するメール対応業務は格段に効率化しました。テンプレートの蓄積・共有が容易になり、関連キーワードで直ちに正確なテンプレートを見つけられるようになりました。これにより、顧客への対応がスムーズになり、平均して1件あたり30秒の時間短縮を実現しています。2024年8月には、26,000件の総問い合わせの中で約18,000件がメール対応であり、これによって月間150時間の効率化が実現されました。
業務への影響とチームのモチベーション
さらに、KARAKURI assistではテンプレート利用率が可視化されるため、それを元にチーム全体のモチベーションを高める要素となっています。オペレーターのチームによるテンプレート作成も行われ、これまでのツールでは分からなかった活用状況が明らかになったことで、より質の高いサービスが提供できるようになっています。
緊急時の対応力も向上
DMMのサポートセンターは年中無休の体制で稼働しており、特に夜間のトラブル対応が必須となります。KARAKURI assistの導入により、オペレーターは迅速にテンプレートを作成し、緊急時にもすばやく対応できる体制が整いました。これにより、問い合わせ急増時も顧客を待たせることなくスムーズに対応できるようになりました。
導入者の声
DMMのカスタマーサポート部長である牛丸潤一さんは、オペレーターとしての経験を踏まえ、KARAKURI assistの導入によって生産性が大幅に向上すると感じています。実際に業務効率が150時間も改善されたことや、オペレーターの負担軽減が実現できたことに満足しています。
KARAKURI assistの特徴
このツールは定型文の共有やAIによる自動校閲機能を備えています。質の高い定型文が共有され、オペレーターの経験に関係なく応対品質を均一化しています。常にアップデートが可能なこのシステムは、今後のカスタマーサポートにおいても必須のツールになるでしょう。
会社概要
KARAKURIは顧客サポートと大規模言語モデル(LLM)の活用を目指し事業を展開しています。高島屋やSBI証券、セブン-イレブン・ジャパン、星野リゾートといった著名企業との取引もあり、ビッグテックからの注目を集めています。今後もその技術革新に期待が寄せられています。