環境に優しい新技術「アミチップ」と「マクチップ工法」
最近、大和ハウス工業、フジタ、バルチップ、関西化学工業の4社が、環境に配慮した新しいコンクリート補強用の再生ポリプロピレン短繊維「アミチップ」を発表しました。この製品は、廃プラスチックを50%以上も利用しており、持続可能な資源の活用を促進する先進的な技術です。
環境負荷の軽減を目指して
近年、プラスチック資源の循環利用が重要な課題となっています。2022年4月から施行されたプラスチック資源循環促進法のもと、企業は廃棄物を新たな製品として再利用することが求められています。従来、プラスチックのリサイクルはサーマルリサイクルに頼っており、製造過程でのCO2排出が問題視されています。特に2021年のデータによると、廃プラスチックのサーマルリサイクルと焼却によって、約1,590万トンのCO2が排出されています。
そこで、4社は廃プラスチックを用いたコンクリート補強用短繊維「アミチップ」を開発し、引張強度や製糸性を保持しながらも、再生材料の配合比率を50%以上に達成しました。この新技術により、従来の製品と同等の性能が確保されると同時に、環境負荷の低減にも貢献しています。
アミチップの特長
「アミチップ」は、特に製品の安定性を確保するために、網戸端材などの廃プラスチックと市場で流通している再生材料を独自の配合で組み合わせています。大和ハウス工業は、全国にある工場から発生する網戸端材を使用し、年間約2トンもの材料をリサイクル可能です。これにより、約2,500㎥の繊維補強コンクリートを製造できる見込みです。
さらに、アミチップを使用することで、製造時にCO2を大量に削減することができます。具体的には、従来のコンクリート補強用短繊維と比較して、製品1トン当たり約740kgのCO2を削減できるとされています。これは樹齢50年のスギ580本分のCO2吸収量に相当します。
施工時の負担軽減「マクチップ工法」
また、大和ハウス工業とフジタは、「アミチップ」の施工性を高めるために、新たな散布工法「マクチップ工法」を開発しました。この工法では、コンクリートを打設した後に、PP短繊維をコンクリート表面に散布し、その後に締め固めることで繊維を埋め込むという方法です。従来の混練工法とは異なり、ミキサー車内の洗浄が不要となるため、作業の負担が軽減されます。
今後の展望
この「マクチップ工法」は、既にフジタの技術センター付属棟で初適用されており、今後は大和ハウスグループによる建築物での検証が続けられます。4社はさらなる資源循環技術の開発を進め、環境負荷の軽減に積極的に貢献する計画です。これにより、継続的にマテリアルリサイクルを推進し、持続可能な社会の実現を目指します。
この革新的な技術と取り組みは、企業と社会の未来に向けた大きな一歩です。