スナック食品市場、回復の兆し!アメリカと西ヨーロッパのトレンド分析
世界的な物価高騰が続く中、食料品市場におけるスナックカテゴリーの動向に注目が集まっています。この度、市場調査会社NIQ/GfK Japanが発表したレポート「Snacking Industry Forum – October 2024」によると、アメリカと西ヨーロッパにおいて、スナックカテゴリーは食品市場全体の36%を占める巨大市場であることが改めて明らかになりました。
興味深いのは、インフレの影響を受けにくいという点です。価格が前年比で5.6%上昇しているにも関わらず、売上数量はわずかに0.6%増加しています。これは、消費者の生活習慣の変化が大きく影響していると考えられます。高騰する食費の中で、手軽で比較的安価なスナックを食事の代替として選ぶ人が増えているという現状が見て取れます。
しかし、スナックカテゴリーの中でもセグメント別の状況は大きく異なります。
好調なチルド&フローズン
チルド食品や冷凍食品を含むチルド&フローズンのセグメントは、販売数量が2.8%増加と、市場全体の回復を牽引しています。手軽さや保存の利便性から、消費者の需要が高いことがうかがえます。
苦戦するコンフェクショナリー&スイート
一方、キャンディーやチョコレートなどを含むコンフェクショナリー&スイートのセグメントは、価格上昇率が8.3%と最も高く、販売数量は減少傾向にあります。贅沢品と捉えられやすいこのセグメントは、インフレの影響を強く受けていると言えるでしょう。
ポテトチップスも堅調
ポテトチップスなどのセイボリースナックは、価格上昇の影響を受けながらも、販売数量が0.2%増加しています。比較的安価で腹持ちが良いことから、節約志向の消費者の需要を捉えていると考えられます。
今後の展望
今回のレポートは、インフレ下でもスナック市場が一定の回復を見せていることを示唆しています。しかし、セグメント間の明暗が分かれていることから、企業は消費者のニーズを的確に捉え、価格戦略や商品開発を進めていく必要があると言えるでしょう。今後、消費者の購買行動や市場トレンドのさらなる変化に注目していく必要があります。