リハビリを支える新たな進化「ブロス」
新潟医療福祉大学が開発したワイヤレス装置「ブロス(BROS)」は、リハビリにおける脳の酸素状態を可視化する画期的な技術です。この装置は、リハビリテーション中の脳の状態をリアルタイムで測定し、そのデータをもとに患者に合った最適なリハビリを実施できることを目的としています。
開発の背景
リハビリテーションは、脳卒中や外傷後の患者の回復において非常に重要ですが、その過程で脳の状態を測る手段は限られていました。他の測定方法では、その安全性を判断するのが難しく、特に集中治療室での早期リハビリを行う際には、「脳を守る」視点からのリハビリが求められています。
そこで、新潟医療福祉大学は、近赤外分光法という技術に基づき、病院と企業と連携しながら、世界初のワイヤレス多機能脳酸素モニターを開発しました。この装置を使うことで、患者の脳の状態を直接観察しながら安全なリハビリが可能になりました。
特徴と効果
「ブロス」を使用すれば、脳の状態をリアルタイムでチェックしながらリハビリを開始することができます。これにより、安全性が高まり、より積極的なリハビリが実現。当装置のデータに基づいて運動強度を個別に最適化できるため、内部疾患を持つ患者に対しても科学的根拠に基づいた新たな運動処方を提供できます。将来的には、認知機能低下リスクの把握や認知症予防にも役立つことが期待されています。
今後の展望
「ブロス」の普及を通じて、医療現場における安全で効果的なリハビリの提供を進めたいと考えています。また、新潟医療福祉大学が持つリハビリテーション科学、健康科学、スポーツ科学の研究力を活かし、「ブロス」による新しい知見や可能性を国内外に発信してまいります。
まとめ
新潟医療福祉大学が誇る「ブロス」は、医療とリハビリの未来を変えるポテンシャルを有しています。この装置が実用化されることで、より多くの患者が安全かつ効果的にリハビリを受けられることを願っています。2025年10月末に販売開始予定で、医療現場へと新たな風をもたらすことでしょう。