糖尿病治療の実態
2015-06-22 14:00:03
2型糖尿病患者と医師の意識調査から見えた治療の現状と課題とは
2型糖尿病患者と医師の意識調査から見えた治療の現状と課題とは
近年、2型糖尿病治療に関する意識調査が行われ、40代から70代の経口薬治療を受けている患者と医師の意識の違いが浮き彫りになりました。この調査では、患者が目標血糖値を認識していないことや、インスリン療法に対する抵抗感、自己注射薬の認知不足が明らかになりました。
患者の目標血糖値に対する認識の低さ
調査結果によると、目標血糖値が達成できていない患者は45%にのぼり、驚くことにそのうちの58.9%が現在の治療に満足していると回答しました。このことは、患者が目標値を達成することの重要性について認識が薄いことを示しています。糖尿病治療が進行する中、目標血糖値を達成する意識を高めることが求められます。
インスリンに対する抵抗感
また、調査では、目標血糖値が達成できていない患者の約90.6%が「インスリンを受けたくない」と答えました。その理由には「インスリン注射は最後の手段だと思うから」という回答が54%で最も多く、次いで「毎日注射が必要だから」の49.1%、また「一生注射しなければならない」という意識も44.2%を占めました。医師が患者の自己注射に対する恐れを感じている一方で、実際には患者はそれほど「怖くない」と考えていることも発覚しました。
自己注射薬の認知不足
さらに、患者はインスリン以外の自己注射薬についての情報が不足しており、実に97.5%がそれらを知らないと回答しています。目標血糖値を達成できていない患者のうち自己注射薬をすすめられた経験があるのはわずか3.3%でした。この認知不足が治療選択の幅を狭めている要因と考えられます。
治療選択におけるQOL重視
調査では、特にGLP-1受容体作動薬に関心のある患者がいることが明らかになりました。医師はGLP-1受容体作動薬のメリットとして「より良い血糖コントロール」、「体重増加が起きにくい」、「低血糖リスクが低い」と医療的な面を強調するのに対し、患者は「血糖コントロールが良くなったら注射をやめたい」という生活の質(QOL)への影響を重視しています。ここにギャップが存在し、医師からの提案に対する患者の懸念を軽減するためには、両者のコミュニケーションが必要です。
GLP-1受容体作動薬の可能性
GLP-1受容体作動薬について知れば知るほど、患者の受け入れ意欲が高まることも調査結果から分かりました。特に週1回の注射であれば、86.6%の患者が「受けてみたい」と回答しています。このことから、医師と患者の間で治療選択肢についてしっかりと情報を交換することで、より良い治療の実現が可能であると考えられます。
まとめ
今回の調査結果は、経口薬治療中の2型糖尿病患者にとっての意識の低さや、医師との情報の共有不足、注射に対する抵抗感が明らかになりました。これらの結果をもとに、治療法選択の幅を広げ、QOLを向上させるためには、医師と患者がより一層の対話を重ねていくことが不可欠です。糖尿病治療が患者のニーズにマッチした形で進むことを期待します。
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