岡山大学のALS研究
2025-07-20 14:21:15

岡山大学が解明した新たなALSメカニズム、治療法開発に期待の声

岡山大学が新たなALSメカニズムを発見



2025年7月1日、国立大学法人岡山大学は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こす新たなメカニズムの解明に成功したと発表しました。この研究は、ALSに関連する遺伝子DNAJC7の機能喪失が、どのようにして運動神経細胞に悪影響を及ぼすのかを明らかにしました。これにより、ALSの治療に向けた新たなアプローチが期待されています。

研究の背景


ALSは神経難病の一種で、脳脊髄における運動神経細胞の減少が進行することで、運動麻痺を引き起こします。その発症メカニズムについては未だに多くの謎が残されており、治療法の確立が急務となっています。岡山大学の山下徹准教授や石浦浩之教授などを含む共同研究グループは、日本人の家系から取得したデータを基に、家族性ALSの原因となる遺伝子変異を探求しました。

DNAJC7の重要性


研究により、ヒートショックタンパク質であるDNAJC7の両アレルに存在する病的変異が、運動神経細胞のダメージに寄与することが判明しました。この遺伝子は、細胞内でのタンパク質の品質管理に関わっており、正常に機能しないとALSの進行を助長することが確認されています。特に、DNAJC7が機能しない場合には、ALSの病態の指標とされるTDP-43が異常凝集することが観察されました。

治療への道


一方で、DNAJC7を強く発現させることにより、TDP-43の異常凝集が改善されることも確認されました。これは、今後のALS治療において有望な新しい方向性を示しており、今後の研究がより具体的な治療法の確立につながる可能性があります。山下准教授は、「この研究成果が治療に結びつくことを期待しています」とコメントしています。

研究の掲載


今回の研究成果は、国際科学誌「Acta Neuropathologica」に掲載されており、広く評価されています。研究は文部科学省や日本医療研究開発機構などの支援を受けて実施されました。

今後の展望


ALSを含む神経難病の根本的な治療法の開発には、さらなる基礎研究と臨床応用が求められます。岡山大学の研究チームは、DNAJC7に関連するヒートショックタンパク質群の制御を目指し、引き続き共同研究を進める意向を示しています。この研究により、多くのALS患者の希望となる新たな治療法の開発が期待されています。

地域医療の向上や国際的な協力を視野に入れ、岡山大学は今後もALS研究の第一人者としての役割を果たしていくことでしょう。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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