概要
和歌山市では、NTT西日本グループが中心となり、東亜グラウト工業、東日本漏水調査と共同で新たな漏水調査の取り組みを行っています。この事業は、人工衛星とAIを駆使し、効率的に漏水を特定する手法として注目されています。
背景
日本において、水道事業は高齢化社会や人口減少といった厳しい状況に直面しています。和歌山市の水道事業も例外ではなく、有収率が低下し、経営が難しくなる中、革新的な技術の導入が求められていました。
有収率とは、水道から供給した水のうち、実際に料金収入に結びついた水の割合を示す指標です。和歌山市では2024年度の有収率が84.0%と、全国平均の89.3%を下回っており、この改善が急務でした。漏水がこの状況を悪化させる要因の一つとされており、早急な対策が必要とされました。
事業の内容
本プロジェクトは、2025年5月から2026年3月までに行われます。主な流れとしては、まず人工衛星から発信される電磁波を利用して、漏水の疑いがあるエリア(POI)を特定します。
これは、アステラ社が開発した最新の技術で、土壌への水道水の影響を分析し、漏水の仮説を立てるものです。結果として、約613のPOIが特定され、その後、従来型の音聴調査とデジタル機器を活用して、漏水の特定を行います。また、この方法により実地調査の効率が大幅に向上し、作業量が従来の4分の1に削減されました。
効果と成果
この取り組みの結果、147箇所で実際に漏水が確認されました。また、令和7年度の漏水調査の対象範囲は全管路に拡大され、従来よりも大幅に効率化されました。
この新たな手法は、デジタル庁が進めるアナログ規制の見直しに沿ったものとして評価され、持続可能な水道事業に必要な基盤を整える重要な一歩となりました。デジタル技術を活用することで、限られた人員でも効率的に調査を行うことが可能になり、これからの水道管理に新たな道を開くきっかけとなっています。
将来の展望
和歌山市では2030年度までに有収率を88.8%に引き上げる目標を掲げています。NTT西日本はこの目標達成に向けて引き続きサポートし、水道事業のデジタル化を通じて持続的な地域づくりを推進していく予定です。また、このような取り組みは国内の他の地域にも展開される可能性があり、全国規模での水道事業の改善に寄与することが期待されています。
この新たなプロジェクトが、和歌山市だけではなく、日本全体の水道事業に対しても良い影響を与えることを願ってやみません。今後の展開に注目が集まります。