OpenStack Summit Barcelona開催
OpenStack Foundationが主催する「OpenStack Summit」第1回が、2016年11月25日から11月28日まで、スペイン・バルセロナの「バルセロナ・インタナショナルコンベンションセンター」で行われました。このグローバルカンファレンスには、50か国以上から5,000人以上の参加者が集まり、オープンソースソフトウェアの活用や関連技術の進展について議論が交わされました。多様な企業がOpenStackを採用する様子や、その効果についても多くの事例が報告されました。
OpenStackの企業での採用
特に注目されたのは10月25日の基調講演で、Banco Santander、Sky UK、Nokia、Deutsche Telekom、CERNなど著名な企業が登壇。講演者たちは、OpenStackが企業に与える影響について強調し、その汎用性や高い互換性、ビッグデータ分析機能について詳述しました。これらの実績・ストーリーは、
OpenStack User Storiesで確認できます。
調査結果の発表
この会議では、「451 Research」による調査結果も発表され、近年のOpenStackの採用状況が明らかになりました。以下に主なポイントを挙げます。
・OpenStackの採用は大企業だけではなく、65%が従業員1,000〜10,000人の中規模企業だと報告。
・デプロイメントの72%が1,000~10,000コアでOpenStackを搭載したクラウドの増加が確認されました。
・OpenStackユーザーの55%がコンテナを使用しており、その2倍以上のペースでコンテナ技術が活用されています。
・インフラスストラクチャサービスやビジネスアプリケーションを含む重要なワークロードも継続的にサポートされています。
・アジア太平洋地域は特に成長しており、2020年までの年平均成長率は61%と見込まれています。
NFVの注目
基調講演の中でも、Network Functions Virtualization(NFV)に関するデモが行われ、通信事業者におけるNFVの急成長が取り上げられました。調査によると、85.8%の通信会社がNFVを利用する上でOpenStackが重要であると考えており、AT&T、Bloomberg LP、China Mobile、Deutsche Telekomなどが実装を進めています。
OpenStackの役割
また、10月26日の基調講演では、マルチクラウド環境におけるOpenStackの役割が議論され、CrowdstarやNokiaなどが自社のグローバルアプリケーションの構築にOpenStackがどのように貢献しているかを紹介しました。さらに、アプリケーションの移植性向上についても多くの進展が示され、最終的にOpenStackが有力な基幹技術として機能していることが再確認されました。
Certified OpenStack Administratorの試験
OpenStack Foundationは、Certified OpenStack Administratorの試験も発表しました。この試験は、オープンソースのインフラストラクチャ管理において市場での価値を高める重要な資格として注目されています。5月の開始以来、50か国で500人以上が受験しており、この需要は今後もさらに高まると予測されています。
新メンバーの承認
会議ではOpenStackの新たなゴールド会員としてCity Network、Deutsche Telekom、99 Cloud、中国のChina Mobileなどの企業が選出され、パブリッククラウドや通信ネットワークの面での活躍が期待されています。このように、OpenStack Summit Barcelonaは、多くの企業間のネットワーキングと新しい技術の理解を深め、今後のクラウド技術の進展に大いに寄与するイベントとなりました。