難病者の社会参加を支える「RDワーカー」
NPO法人両育わーるどが発行した『難病者の社会参加白書2025〜RDワーカーの可能性〜』のダイジェスト版が発表され、社会に新たな波をもたらしています。このダイジェスト版は、難病を抱えつつも働く意欲を持つ「RDワーカー」という新概念を提唱し、柔軟な働き方を探求するものです。
難病者と働く環境の現状
近年、医療技術が進化し、さまざまな難病者が支援を受けながら活躍できる場が広がっています。しかし、社会全体の理解不足から、難病を持つ方々が働ける環境が整っていないのが現実です。多くの人は「難病」と聞くと重篤な病気を想像しがちですが、実際には多様な症状を抱えつつ、社会での役割を果たすことを希望している方がたくさんいます。
「RDワーカー」とは?
ダイジェスト版では、RDワーカーの概念が紹介されており、難病者が働くための新たな選択肢として位置付けられています。このRDワーカーは、症状の変動に応じて柔軟に働くスタイルを持ち、具体的には「ゆるゆる・そこそこ・せかせか」の3つの働き方に分類されています。これにより、各々のライフスタイルや健康状態に応じた働き方が認められるようになります。
社会の受容を求める声
白書では、難病者が働くことが社会全体にとってのメリットになると強調されています。少子高齢化が進む中で、育児や介護など制約のある方々が働ける社会を実現するためには、まず難病者が社会の一員として貢献できる環境が必要です。
厚生労働省の最新方針
さらに、このダイジェスト版には最近の政策動向も含まれています。2023年10月3日、厚生労働省が障害者雇用率の算定に難病患者も含める方向で法改正を検討しているとの発表があったため、今後の推移が注目されています。しかし、この方針に対し、難病者の就労に関する懸念も示されています。特に、障害者手帳を持たない600万人以上の難病者が対象とならない点についての不安が寄せられています。
「RDワーカー」の広がりを目指して
NPO法人両育わーるどは、今後の展望として「RDワーカー」という言葉を広め、社会問題として認識されることを目指しています。2026年度には、流行語大賞の獲得を目指すとともに、民間企業との連携や地方議員勉強会を通じて、RDワーカーの社会への普及を図ります。
終わりに
この取り組みは、難病者の方々が自分らしく働ける環境を整える第一歩であり、社会全体の理解が深まることを願っています。今後もRDワーカーの活動とその成果に注視し、支援の輪を広げていきたいものです。