日本初のトークン化投資信託の実現に向けた業界の新たな協業

日本初のトークン化投資信託に向けた協業が始動

2025年12月4日、日本の金融市場に革新をもたらすプロジェクトが始動します。三菱UFJグループの三社、三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行が、Progmat, Inc.と協力し、日本初のトークン化投資信託である「トークン化マネー・マネージメント・ファンド（TMMF）」の開発に取り組むことを発表しました。この取り組みは、国内の金融商品にトークン化技術を取り入れ、新たな投資の選択肢を提供することを目的としています。

トークン化金融商品の背景

最近、海外ではトークン化金融商品の市場が急速に拡大しており、特にマネー・マーケット・ファンドは85億ドルを超える規模に成長しています。デジタル資産市場の中心として、多くの金融商品がトークン化され、投資の新しい形が求められています。一方、日本では円建てマネー・マネージメント・ファンドがマイナス金利政策の影響を受け、運用成績が低迷していたため、投資家は手をこまねいていました。しかし、この状況が変わりつつあり、金利のある経済環境が再来する中、投資家のニーズに応えられる機会が増えてきているのです。

TMMFの構築に向けた協業の目的

協業の目的は、投資家が求める資金効率を重視し、今後の市場におけるMMFの重要性を高めることです。三菱UFJアセットマネジメントの代表取締役社長、横川直氏は「迅速に対応できる体制を構築することで、TMMFの基盤を整えることを目指します」と語っています。2026年には、機関投資家向けに円建てTMMFを初めて提供する予定であり、将来的には個人投資家向けサービスも視野に入れているとのことです。

ステーブルコインとの連携

現在、国内外でステーブルコインの発行や流通に関する関心が高まっています。ステーブルコインは法定通貨と価値が連動し、即時決済を可能にする一方で、投資信託との連携が求められています。トークン化された投資信託は、ステーブルコインとのシームレスな移動・交換を実現し、提供価値を更に高めることが期待されています。