プラスチックリサイクルの新たな取り組みが始動
近年、プラスチックリサイクルにおける重要性が増しています。特に、資源有効利用を促進するための法改正や欧州の指令によって、リサイクル技術の開発が急務となっています。そんな中、三菱電機とダイサンが共同で開発したプラスチック高度選別実証機が、本格的な運用を開始しました。この取り組みは、持続可能な社会の実現を目指すプラスチックリサイクルの新たな潮流を示しています。
新技術の概要
三菱電機とダイサンが連携したこの実証機は、家電リサイクル事業において蓄積された高度な選別技術を活用しています。特に、静電気を利用した選別技術が特徴で、プラスチック製品内に混在する異なる素材を高純度で分離します。ダイサンが製造したこの機器は、実際の家電プラスチックリサイクル工場と同水準の処理能力を備えています。また、静電選別装置の運用にあたっては、あらかじめ設定された条件下でさまざまなプラスチックの選別実証が行えるようになっています。
環境への影響
今回の取り組みは、社会全体のプラスチックリサイクルの効率化に寄与します。例えば、黒色のプラスチックやフィルム状の素材を選別する能力に優れています。このようなリサイクル技術の向上は、廃プラスチックからの資源回収率を向上させ、結果的にリサイクル効率を劇的に改善することが期待されています。
企業の思い
ダイサンの社長、田中知克氏は「環境問題に対する貢献がこの新技術の導入につながる」とコメントしています。一方、三菱電機のサステナビリティ・イノベーション本部長、小黒誠司氏は「プラスチックリサイクルが持続可能な社会に向けた重要な課題である」と強調し、両社の協力による成果に期待を寄せています。
高度選別技術の特長
この実証機の革新性は、その独自の電極構造にあります。具体的には、異なる形状の電極を使用することで、選別対象のプラスチックに高い電界を印加し、約1.5倍の回収率を実現します。また、自動清掃機能が搭載されており、電極の安定性を保つ工夫もされています。これにより、選別処理がスムーズに行えるようになっています。
未来へ向けての展望
実証機の運用開始に続く予定として、2025年度には製品化を目指し、さまざまな業界での廃プラスチック選別の実証、課題解決に取り組むことが発表されています。また、リサイクルソリューションとして、選別情報のDX化も進められ、リアルタイムでの選別条件の最適化が図られます。それにより、継続的に高品質なリサイクルが期待されます。
まとめ
三菱電機とダイサンの提携によるプラスチック高度選別実証機の運用開始は、リサイクル業界における新たな突破口を開く大きな一歩です。この取り組みによって、さらなる技術革新とともに、循環型社会の実現へとつながることが期待されています。