サウジアラビアにおけるテラドローンの新たな挑戦
テラドローン株式会社が、サウジアラビアのジェッダ北部で発表した最新の技術を実施しました。これにより、同国の下水道点検システムが大きく変わります。テラドローンは、国営水道会社であるNational Water Company(NWC)が管理する約38キロメートルにわたる下水道管の点検を、CCTV(閉回路テレビジョン)を搭載した水中ドローンを用いて行いました。このような技術は、従来の下水道点検方法に比べて、迅速かつ効率的な結果をもたらすことが期待されています。
従来の課題と新技術の導入
サウジアラビアでは、急速に進行する都市開発に伴い、インフラの整備が急務です。しかし、過去の設計図や管理記録が不適切に分散していることで、配管の正確な位置を特定するのが難しくなり、老朽化した下水道の維持管理においても問題が生じていました。従来の方法では、点検のために全ての水を排水する必要があり、その結果、作業費用や効率が大きな負担となっていました。
そこでテラドローンは、水中ドローンを活用することで、これらの課題を解決します。水中ドローンによる点検では、満水の下水道管内での検査が可能になり、CCTVによってリアルタイムで内部を可視化。これにより、損傷を早期に発見し、メンテナンスや修理のコストを可能な限り抑えることができます。また、収集したデータは、管理記録の正確性向上にも寄与することでしょう。
実施した検査の概要
テラドローンの水中ドローンによる検査は、具体的には以下のステップで行われました。
1. 水道管の位置特定
地中レーダーを駆使してマンホールの位置を探知し、埋設された水道管の位置を明確にしました。これに基づいて、周辺の道路バリケードや安全標識の設置が行われ、マンホールの開放の作業も行われました。
2. 下水道管内の点検
CCTVを搭載した水中ドローンのおかげで、水を排出することなく、満水状態でも点検が進行します。400メートルのテザーケーブルを使用することで、広範囲な映像撮影が可能となり、正確な検査結果が得られます。
3. 損傷発見時の対応
万が一、下水管内で損傷を発見した場合には、さらなる排水調査が必要です。排水後は薄暗い環境になりますが、「Terra Xross 1」などの屋内点検用ドローンを利用することで、安定した飛行性能により、作業が行えることが期待されています。
今後の展望とグローバル戦略
テラドローンは今後、国内外の市場において、下水道を含むインフラ点検の分野でのさらなる事業展開を図ってまいります。「Terra Xross 1」の活用により、低コストでの導入を促進し、暗所や狭所での点検業務の効率を高めていく方針です。
また、テラドローンは、産業用ドローンサービス会社としての評価を受けており、未来の“低空域経済圏”のプラットフォーマーとして、社会課題の解決にも貢献することを目指しています。
詳しくは
テラドローン公式ホームページをご覧ください。